第88話《第四VS第八》
第六階層――魔法封鎖領域。
黒薔薇の翼の三人は、霧の中で状況を確認していた。
ルナが冷静に告げる。
『みんな、気を付けてね。
通常魔法は使えないけど“魔魔法”は使える。
つまり――魔族は魔法が使えるが、こちらは使えない』
マコトは眉をひそめた。
「ルシファーは魔族だから使えるんじゃ……」
ルシファーは苦笑いした。
「なぜか魔魔法がまだ開眼されてないんだよね……」
ルナは続ける。
『マコトは魔力ゼロだから関係ないけど、
カリナの剣に魔力は乗らないし、
ルシファーの爪にも乗らない』
カリナは大剣を肩に担ぎ、胸を張る。
「私の剣に魔力はいらないよ!」
斧を封じられたキキが睨みつける。
ルナは小さく笑った。
『ちなみにマコトのスキルは使えるわ』
マコトは拳を握る。
「よし……ならやれる!」
――霧の奥で、
ゆっくりとグラディウスが立ち上がった。
「……お前ら……転移してきたのか……」
カリナは鼻で笑う。
「まぁそうだな」
グラディウスは信じられないという顔をした。
「……誰が……
転移魔法なんてそうそう使える奴なんかいない……」
マコトは即答した。
「ルシファーだよ」
グラディウスの顔が固まる。
「…………はぁァァァ?
嘘だろ!!」
手をかざし、ステータスを読み取る。
(ルシファー……SSSだと……
俺がまだSSなのに……
マスターウィザード!?
馬鹿な!!父上と同格!!)
グラディウスは叫んだ。
「ルシファー!!
許さんぞ許さんぞ!!
――サンダーランス!!」
雷の槍が飛ぶ。
ルシファーはギリギリで避けた。
「このガキィィィ!!
サンダーランス!
サンダーランス!
サンダーランス!!」
床に雷槍が次々と突き刺さる。
ルシファーは余裕の笑みすら浮かべながら避け続ける
が――
攻撃にはつながらない。
ルナが叫ぶ。『マコト!
**リデジューリビルド**をルシファーの手甲に!』
「え!なるほど!わかった!
リデジューリビルド!
ルシファーの手甲!!」
ルシファーの手甲が光り、
黒い残滓がまとわりつく。
ルシファーは驚いた。
「マコト!!」
ルナが説明する。
『手甲が修復と再生を繰り返す!
サンダーランスを掴んで戦うのよ!』
ルシファーは笑った。
「わかりました〜!」
雷槍を両手に掴むと、
跳躍してグラディウスへ襲いかかった。
不意を突かれたグラディウスは体勢を崩す。
クラリスが即座に防御結界を張り、
ルシファーの攻撃を防いだ。
「グラディウス様!!」
グラディウスは体勢を整え、叫ぶ。
「……でかしたクラリス!!
調子に乗るなよ第八!!
出来損ないが!!」
雷槍を掴んだルシファーと、
魔族の王子グラディウスが激しく切り結ぶ。
ルナが叫ぶ。
『マコト!
蒼紋騎士団がそろそろ限界よ!』
マコトはハッとした。
「そうだった忘れてた!
リデジューストレージ!
このボス収納!!」
キングコボルト・アルファが光に包まれ――
ストレージに収納された。
黒い液体が消え、
閉じ込められていた蒼紋騎士団が床に倒れ込む。
皆苦しそうだが、
ミサキ、ユウタ、アーサー、メルセデスは無事だった。
ミサキは咳き込みながら言う。
「……助かった……後輩くん……」
ユウタは涙目で叫ぶ。
「マコト……!!」
アーサーは悔しそうに拳を握った。
「……借りを作ったな……」
メルセデスは震えながら言った。
「……姉さん……」
黒薔薇の翼は、
蒼紋騎士団を救い出した。
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