第87話《黒薔薇の翼、降臨》
第六階層入口前。
巨大魔導モニタに――
黒薔薇の翼の三人が映し出された。
中央広場は一瞬で爆発した。
「来たぞ!!」
「黒薔薇の翼だ!!」
「間に合え!!」
観客の叫びが渦を巻く。
ゲート前の掲示板には、
新たな文字が光った。
――黒薔薇の翼 エントリー
ルナが冷静に告げる。
『こっから先は魔法が使えないわ。
よく考えてね』
ルシファーは拳を握りしめた。
「ここならまだ使えるって事ですよね……
すいません、二人共……巻き込んでしまって」
マコトは無理に笑った。
「俺は先輩二人がいるから……」
カリナはニヤリと笑う。
「妹を助けたいだけだ…かな」
ルシファーは震える声で言った。
「……ありがとうございます……
**グラディウス**だけは許せない……
僕の大切な二人を巻き込んで……」
カリナは酒瓶を投げ捨てた。
「……時間がねぇ!
行け、ルシファー!!」
「はい!
転移します!
……“移!!”」
ストレージが光に包まれた。
巨大魔導モニタには、
黒い霧の斧を構えるキキが映る。
『まずは一人目』
黒い液体の中でもがくメルセデスに、
キキが照準を合わせる。
メルセデスの顔は恐怖で歪んでいた。
『……くそ……ごふ……や……めろ……』
中央広場は悲鳴に包まれる。
「やめろーー!!」
「残虐すぎる!!」
「黒薔薇の翼、間に合ってくれ!!」
キキは冷たく笑った。
『ふふ……無駄よ……
ここまで30分はかかるわ……
まずは見せしめの一人目』
絶望するメルセデス。
振り下ろされる黒斧。
――その瞬間
ガキィィィィン!!
黒斧が弾かれた。
キキの目が見開かれる。
黒い斧を受け止めたのは
――カリナ。
両手の大剣で、
黒斧を真正面から受け止めていた。
「……は?」
キキが後退する。
黒薔薇の翼の三人が、
霧の中からゆっくりと姿を現した。
中央広場のボルテージは最高潮に達した。
「来たあああああ!!!」
「黒薔薇の翼!!!」
「間に合った!!!」
「カリナ様ーー!!」
カリナは大剣を肩に担ぎ、
キキを睨みつけた。
「……よくも妹を殺そうとしたな」
マコトは拳を握りしめ、
黒い液体の中のミサキとユウタを見つめる。
ルシファーは震える声で言った。
「……グラディウス……
絶対に許さない……」
黒薔薇の翼が、
第六階層に降臨した。
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