第77話《森の夜、そして動き出す影》
ルシファーの転移魔法が発動し、
黒薔薇の翼の三人は深い森の中へと姿を現した。
夜の森は静かで、月明かりだけが木々を照らしている。
ルシファーが周囲を見回しながら言った。
「ここらでどうですか?」
カリナは肩を回しながら頷く。
「いいだろ………。
しかし――マコト!」
マコトはビクッとする。
「……はい?」
カリナはニヤリと笑った。
「よかったぞ〜お前!
イキリ散らかしてたな!大魔道士相手に」
ルシファーも笑いながら肩を叩く。
「確かに!
けっこうガンガン言うんだね〜」
マコトは照れながら頭をかく。
「いや〜……なんかムカついてきちゃって」
三人はしばらく笑い合った。
森の静けさに、楽しげな声が響く。
カリナは酒瓶を取り出し、勢いよく栓を抜いた。
「特にメルセデスのくだりは最高だったな!
酒が美味ぇ〜! ぐはははは〜!」
■ 一方その頃――
魔導モニタにガルドの顔が映し出される。
その前に控えるのは、アーサーと王国直属の蒼紋騎士団。
「ガルド様……次のご指示は?」
ガルドは苛立ちを隠さず言い放つ。
「あぁ!
……あのガキを捕まえろ!」
「捕まえるのが困難なら?」
ガルドの目が細く光る。
「殺せ。
我が国に来ないなら敵だ。
ヴァルガの宿主なぞ脅威でしかない」
その言葉に、ミサキが息を呑む。
「……え……」
ユウタも顔を強張らせた。
「………」
アーサーは静かに頷く。
「……なるほど。
承知致しました。
再度確認ののち、場合によっては殺します」
メルセデスが報告する。
「次の接触はダンジョン第六階層になります」
アーサーは剣の柄に手を置き、静かに言った。
「次は私も出る。
総力戦だな……
――殺しに行くぞ」
魔導灯が揺れ、
不穏な影が王国を覆い始めていた。
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