第67話《伝説竜はやめられない・残滓再構築Ⅲ》
レオンがゆっくりと瞼を開けた。
白い天井がぼんやりと視界に入る。
薬品の匂いが鼻をつき、ここが病院だと気づくまで数秒かかった。
「……あれ、俺……?」
「気がついた?」
ベッドの横でミリアが心配そうに覗き込んでいた。
その後ろでは、巨体のガルドが大粒の涙を流している。
「レオン! よかった……!」
「なにが…どうなった……?気がついたら…今なんだけど…」
ミリアは胸を撫で下ろしながら言った。
「ボス部屋で気を失ってたんだよ〜。あわや死んでたんじゃない?
黒薔薇の翼に感謝しないとね〜あの人達がボス倒したから…。命の恩人的な〜」
レオンは一瞬きょとんとした後、
ふっと笑った。
「……悪い、心配かけたみたいだな。
あいつらに借りができたな……」
同じ頃、別の病室。
メルセデスもゆっくりと目を開けた。
「……ここは……?」
ベッドの横にはアーサーが座っていた。
腕を組み、難しい顔をしている。
「やっと起きたか」
メルセデスは眉を寄せた。
「いったい何が? どうなって……」
アーサーは短く答える。
「ボス部屋に入った者は皆、気を失っていたんだ。
……黒薔薇の翼以外はな」
「え…ボスは……?」
「……あいつらが倒したよ。黒薔薇の翼がな」
メルセデスは悔しそうに唇を噛んだ。
「……黒薔薇の翼……
あいつら……何者なのよ……」
アーサーは小さく息を吐く。
「……あいつらに助けられたな」
一方その頃――
街の外れの丘の上。青空の下、爽やかな風が吹き抜ける。
マコト、カリナ、ルシファーの三人は、
のんびりとバーベキューを楽しんでいた。
香ばしい匂いが風に乗って広がり、
焼けた肉の脂がじゅうじゅうと音を立てる。
カリナは肉を頬張りながら叫んだ。
「しかし美味いな、伝説竜の肉!」
マコトも笑顔で頷く。
「全く飽きませんね。
毎日食べてもいいくらいです」
ルナの声が響く。
『私は食べられないけど……
よっぽど美味しいのね』
ルシファーは口いっぱいに肉を詰め込みながら、
涙目で訴えた。
「もう……モグモグ……
なんか……モグモグ……
ヤバイってコレ……
なくなっちゃったらどうすんすかね……」
カリナは真剣な顔で頷く。
「それ! それ!
マジで無理。
コレなしじゃ生きていけねぇ」
マコトは少し照れながら言った。
「実はですね……
スキル、上がりまして」
二人が同時に顔を上げる。
マコトはステータスを開き、
新しいスキルを見せた。
◆ 進化スキル:残滓再構築Ⅲ(レジデューリビルドⅢ)
・破損した物質の残滓情報から再構成する
・物質の再生と修復(大)
・生物の修復(大)
カリナは一瞬きょとんとした後、
目を見開いた。
「……そうか、良かったな……
で? 肉と関係あるのか?
…………ああ!!」
ルシファーも跳ね上がる。
「!! そうか!!」
ルナが呆れたように言う。
『……やっと気づいたわね』
マコトは満面の笑みを浮かべた。
「そうです。
伝説竜の肉2割ほどしか食べてませよから」
カリナとルシファーが同時にゴクリと喉を鳴らす。
マコトは胸を張って宣言した。
「そこにレジデューリビルドをかければ――」
三人の声が揃った。
「無限に食える!!」
丘の上に、
歓喜の叫びが響き渡った。
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