第 53話 連携の牙、黒と白
草原に風が吹き抜け、草が波のように揺れていた。
その中央で、マコトとルシファーが向かい合う。
マコトは黒紅の双剣を構え、
柄をひねって二本を連結させる。
――カチリ。
双刀薙刀へと変形した刃が、夕日を反射して赤く光った。
マコトは地面を蹴り、回転しながら斬りかかる。
ルシファーは手のひらに防御結界を展開し、
その回転斬撃を受け流すと、
白虎のガントレットで鋭い爪撃を繰り出した。
マコトは薙刀を横に滑らせ、その爪を受け止める。
金属音が草原に響いた。
ルシファーは息を荒げながら笑う。
「はぁ……はぁ……すごい身体能力だね……」
マコトは薙刀を肩に担ぎ、笑って答えた。
「ノクス=ドラグレア肉のおかげらしいよ。
肉体改造効果があるみたい」
ルナが呆れた声を出す。
『……魔改造効果ね。
人間離れしてきてるから』
マコトは苦笑した。
「あはは……疲れてきたね。回復するよ。
マコトは手をかざした。
「レジデューアブソープ!」
淡い光が二人を包み、
疲労がすっと抜けていく。
ルシファーは目を見開いた。
「おお! すごいよマコト!
疲れが吹っ飛んだ!
まるで熟睡したかのようだよ!」
マコトは自分の頬を触りながら言う。
「でしょ。肌艶も良くなるんだ」
ルシファーも頬を触る。
「ほんとだ! スベスベツルツル!」
その時、草原の端から声が飛んだ。
「おい! おまえら、もういいだろ。
二人まとめてかかって来い!」
カリナが大剣を肩に担ぎ、
酒瓶を片手にこちらを見ていた。
マコトは薙刀を構え直す。
「俺たち二人の……」
ルシファーも白虎の爪を構える。
「連携攻撃……舐めないほうがいいですよ」
カリナはニヤリと笑った。
「上等! 来いや!」
二人は同時に叫んだ。
「ウォォォォォ!!」
マコトは空中で回転しながら斬りかかる。
カリナは大剣を地面に突き刺し、その衝撃で受け止めた。
ルシファーが横から斬りつける。
だがカリナは大剣を軸に身体を回転させ、
マコトの腹に蹴りを叩き込んだ。
「ぐぇ!」
続けざまに大剣を引き抜き、
振り下ろす。
ルシファーは防御結界で受けるが、
カリナは剣を手放し、
そのまま回転しながら足払いを放った。
「うわ!」
二人は同時に地面に転がった。
カリナは大剣を拾いながら言う。
「まだまだだな……
だが悪くない。
そろそろ《チョモ》に行くか」
マコトとルシファーは同時に返事した。
「はい!」




