第48話 ラビリンスオーソリティ
第3階層出口の扉が開いた
出口をくぐった瞬間――
いつもの歓声が無かった。
「……あれ?なんか…いつもと違う感じか……」
いつもの歓声は無く、ただ魔導カメラを構えたメメが待ち構えていた。
笑顔が引きつっている。
「……いや〜……やっちゃいましたね……」
マコトが恐る恐る聞く。
「…え…なんか全然盛り上がってない…」
カリナも怪訝な表情。
「…何が…どうした?」
メメは目をそらし、
小声で言った。
「……正直……みんな引いてまして……」
マコト
「え……広場……盛り上がったんじゃ……」
ルナ
『あれは引くって……』
その時だった。
休憩スペースの空気が一変した。
黒い制服を着た職員たち――
**《迷宮統制局》**が
ぞろぞろとやってきたのだ。
◆ 【チョモアーケディア】
中央広場でも騒ぎが起きていた。
「おい! なんか当局来てるぞ!」
「ヤバくないか!? あいつら!」
「やば……薔薇が胸ぐら掴んでるぞ!!」
――第3階層出口前
カリナはすでに職員の胸ぐらを掴んでいた。
「なんか文句あるんかコラァ!!」
職員は青ざめながら叫ぶ。
「離しなさい!!
我々は《迷宮統制局》本部ですよ!!
と、とにかく本部に出頭命令なんです!
来ないとダメなんです……
貴方を《チョモ》から出禁にする事も可能なんですよ!!」
カリナは鼻で笑った。
「上等だこの野郎!!
もう出ねぇ!!
マコト! 帰るぞ!!」
マコト
「あ、はい」
職員たちが二人を取り囲む。
カリナは大剣に手をかけた。
「この野郎……死にてぇみたいだな……」
ルナが叫ぶ。
『……マコト、ヤバイ!
カリナ収納しちゃって!!』
マコト
「わかった!
残滓収納!
カリナさん収納!!」
カリナの姿が一瞬で消えた。
職員たち
「……消えた!?
薔薇が消えたぞ!!」
休憩スペースが騒然となる。
ルナ
『今よマコト! 逃げて!!』
マコト
「了解!」
マコトは全力で走り出した。
―― 丘の上
マコトは人気のない丘まで逃げ切ると、
息を整えながら呟いた。
「リデジューストレージ……俺収納!」
自分自身をストレージに入れる。
内部は薄暗く、
空間がゆらゆらと揺れている。
その中央で――カリナが酔っ払って大の字で寝ていた。
「……良かった〜……
暴れてたらどうしようかと……」
ルナ
『まるで怪獣ね……
もうチョモには行けないわね……』
マコトは苦笑した。
「……まぁしょうがないよ。
俺がやっちゃったからね……」
ストレージの外では、
迷宮統制局が大騒ぎになっているだろう。
もう《チョモ》には戻れない――
誰もがそう思っていた。
だが。
事態は急変する。
黒薔薇の翼を巡り、
ラビリンスオーソリティが動き始めるのだった。




