第33話 ストレージの中
白い光が満ちるストレージ空間。
マコトは深呼吸し、手をかざした。
「……カリナさんを調べる」
光が揺れ、カリナの身体が淡く浮かび上がる。
「うわっ!」
カリナが目を開け、勢いよく起き上がった。
「……すげえな。ストレージの中って、こんなんなってんのか……」
彼女は周囲を見渡し、並んだ“収納物”に目を丸くした。
伝説竜ノクス=ドラグレア。
宝石箱。
ケルン。
そしてルシファー。
「ルシファー、元気そうだな。良かったじゃねえか、マコト」
マコトは胸をなでおろした。
その時――
外から声が聞こえた。カリナが眉をひそめる。
「……スカルナーが誰かと話してるな。
聞いたことある声だ……」
マコトは指輪に問いかけた。
「ルナ、外の様子って見れないの?」
『リデジューストレージ可視化と言えば、なるわ』
「リデジューストレージ可視化!」
ストレージの壁が透明になり、外の景色が映し出された。
カリナは思わず叫んだ。
「うわっ! 透明になった!
……やば、アーサーじゃん……メルセデスもいるし」
マコトはメルセデスを見て首をかしげた。
「……メルセデスさんって、カリナさんと似てますね」
「そりゃそうだろ。妹だからな」
「ええっ!」
カリナは苦笑した。
「色々あってな……仲はあんまり良くねえ。
それより、さっきから誰と喋ってんだ?」
「ルナです。この指輪の中の人かな」
「私も聞こえるようにしろ」
『できるわよ。リデジューリンク、全能の指輪カリナとリンクで』
「リデジューリンク、全能の指輪カリナとリンク!」
光が走り、カリナの耳にも声が届いた。
『初めまして、カリナ』
「うおっ!! 聞こえる!
よろしく……えっと、ルナ!」
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カリナは腕を組み、外の様子を見ながら呟いた。
「……完全に蒼紋騎士団に目を付けられたな」
『みたいね。
狂戦士ヴァルガ、ドラゴンスレイヤー、ゴッドスレイヤー……
アルヴァリア王国としては、他国に渡ったらヤバい事案よ』
マコトは驚いた。
「他国って……あるんですね」
カリナは頷いた。
「この大陸にはアルヴァリア、グラン=フェルド、エルディアの三国がある。
元々は敵対してたが、魔国アビス=ノワールの出現で協力体制ができてる」
「そうなんですか……」
カリナは外のアーサーたちを見て、ため息をついた。
「取りあえず移動したほうがいいね。
ルナ、この状態で移動できる?」
『無理よ。マコトがストレージから出て移動しないと』
「じゃあ……アルヴァリア軍がいなくなるのを待つか。
で、どこに行けばいいと思う、ルナ?」
『グラン=フェルドなら近いし、最適解ね』
マコトは拳を握った。
「……よし。ルシファーを治しながら、グラン=フェルドへ向かおう」




