第31話 接近
蒼紋騎士団・作戦室。
緊張した声が響き渡った。
「団長! 狂戦士が現れました! 赤と黒の火柱です!」
アーサー団長は勢いよくカーテンを開け、外の空を睨む。
「ホークアイ!」
視界が一気に拡大し、遠方の空にかすかに揺らめく赤黒い火柱が映し出された。
「……見えた…消えそうだぞ!場所は!」
別の団員が結晶板を確認し、声を上げる。
「終焉結晶板にも狂戦士反応! 場所は――マルクトです!」
アーサーは即座に立ち上がった。
「すぐに向かうぞ! メルセデス!」
「はい!」
二人は団員たちを置き去りにする勢いで、蒼い残光を引きながら高速で飛び出した。
---
その頃、マコトの耳にルナ声が響く。
『マコト! アルヴァリア王国軍の編隊が高速接近。
特に二体は速い……ネームドよ』
「え!?
カリナさん、アルヴァリア軍がこっちに向かってるみたいです!」
カリナは顔をしかめた。
「え! なんか面倒! どうする!」
『マコト、そんな時は残滓保管カリナを収納してあなたも入る』
「なるほど!カリナさん!ストレージに隠れますよ!」
カリナはスカルナーに向かって叫んだ。
「スカルナー! トンズラするから!
あとはよろしく! 変に隠さなくていいからね!」
スカルナーは呆れたようにため息をついた。
---
アーサー団長とメルセデス副官は、風を切り裂く速度でマルクトへ向かっていた。
「ホークアイ!」
アーサーの視界がズームし、地上の様子が鮮明に映る。
メルセデスが息を呑む。
「見えますか?」
アーサーは目を見開いた。
「……こいつは驚いた……カリナだ。
お前の姉がいるぞ」
「はぁぁぁぁぁ!?!?」
ホークアイに映る名前――
カリナ・ゴメス=ドラゴンスレイヤー
「……なに!!
カリナがドラゴンスレイヤー!? 伝説竜を殺したのはカリナだったか、そしてもう一人はコイツ……XXXXXXX=ドラゴンスレイヤー&ゴッドスレイヤーだと!!」
メルセデスは震えた声で叫ぶ。
「ゴッドスレイヤー!?
実在するんですか!」
アーサーはさらに驚愕した。
「……! 消えた!
二人とも消えた!
とにかく急ぐぞ!」
---
アーサーとメルセデスが廃屋前に降り立つと、
そこにはスカルナーが腕を組んで立っていた。
「……やれやれ……」
スカルナーは深いため息をつき、
空を見上げた。
--




