第139話《地下森の異変》
巨大な木々に囲まれた草原のような場所へ、
五人はゆっくりと着陸した。
地下とは思えないほど広大で、
天井の穴から差し込む光が森を照らしている。
その静寂を破ったのは、
ルナの鋭い声だった。
『魔導反応よ!』
次の瞬間、幾何学模様に光る丸い球体が数十、
森の奥から浮上し、
天井の穴へ向かって高速で飛んでいった。
マコトたちが見上げる間にも、
球体は穴の縁に吸い込まれ、
まるで生き物のように天井を“修復”していく。
ルシファーは息を呑んだ。
「……修復しているの…かな?…」
カリナは剣を肩に担ぎながら球体の動きを観察する。
「こっちに向かってくる気はないみたいだな……」
しかし次の瞬間――
ルナが苦しげな声を上げた。
『うう……! 痛い……!』
マコトの 全能の指輪 が激しく震えた。
「ええ!? どうしたのルナ!」
続いてヴォルガの声が響く。
『……我もだ……頭が割れるように痛い!』
「ヴォルガまで!?」
ルナは震える声で指示を出す。
『……マコト……ストレージに入れて…耐えられない…』
「わかった!
リデジューストレージ!
全能の指輪、狂戦士の指輪収納!」
指輪が光に包まれ、ストレージへ吸い込まれる。
ルナの声は弱々しかった。
『……ごめんなさい……楽になったけど……意識を切るわ……』
ヴォルガも同じく。
『我もだ……』
マコトは叫ぶ。
「ルナ! ヴォルガ!」
しかし返答はなかった。
その静寂の中、
ルシファーが周囲を見渡しながら言った。
「……スカイさん……」
スカイは緊張した面持ちで頷く。
「はい……いつの間にか囲まれましたね」
森の影から、光る球体とは別の“何か”がゆっくりと姿を現し始めていた。
カリナは火ノ大剣を構え、身構える。
「……敵か?」
ブラッドも剣を抜き、周囲を警戒する。
「……相当な数ですね」
地下森の静寂は完全に消え、
前時代文明の“防衛機構”が目覚めた気配が漂っていた。
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