第138話《地下森への降下》
カリナの一撃で生まれた巨大クレーターは、まるで隕石が落ちた跡のようだった。
スカイが展開した防護魔法の範囲だけが円形に草を残し、
それ以外は草一本すら生えていない“更地”になっている。
クレーターの底では、前時代文明のダンジョン天井らしき構造物が完全に破壊され、
内部空間がむき出しになっていた。
ウィンザール王は立ち上がり、
拍手しながらカリナを称賛する。
「見事だ! カリナ殿、実に見事だ!」
スカイは防御魔法を解除し、
空中に巨大な魔導モニターを展開した。
青白い光のスクリーンが空中に浮かび、
映像が映し出される。
「私の左目とモニターをリンクさせました。
ダンジョン内の様子はこちらでご確認ください」
王は満足げに頷く。
「うむ。スカイ、ブラッド、行ってまいれ」
「は!」
マコト、ルシファー、カリナ、スカイ、ブラッドの五人が
クレーター底の破壊された天井部分へ集まった。
カリナが覗き込み、目を丸くする。
「……森? 地下に森があるぞ」
スカイも驚愕していた。
「……こんな空間が広がっているなんて……」
マコトは残滓を読み取るため、手をかざす。
「リデジューリンク……
ものすごい広い空間……調べようがないくらいだ」
ルナが補足する。
『大気的問題はないわね。入っても大丈夫よ』
ルシファーは深く息を吸い、静かに言う。
「……降りてみますか」
「だな」
カリナは飛行魔法が使えないマコトを抱え、そのまま飛び降りた。
ルシファー、スカイ、ブラッドも続き、
飛行魔法でゆっくりと下降していく。
降下するにつれ、地下空間の全貌が見えてきた。
巨大な木々が立ち並び、
その高さは地上の樹木の比ではない。
幹は城壁のように太く、枝は空洞全体を覆うほど広がっている。
ルシファーは目を見開いた。
「……見たことないくらい巨大な木ですね」
マコトは残滓を読み取りながら呟く。
「……生体反応がない……
今のところ植物しかないみたいだ」
地下に広がる“森”。
しかしそこには、動物の気配も、魔物の気配もない。ただ静寂だけが支配していた。
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