第137話《火炎隕石、落下》
―西方遺跡ダンジョンの封印扉の前。
ルシファーは地面に手を当てていた。
静かに目を閉じている。
やがて、彼は眉をひそめた。
そこへカリナが歩いてくる。
「どうしたルシファー?」
「ダンジョンに行けません……転移が通らないんです。
特殊な金属に覆われていて、魔力を完全に遮断してます」
カリナは短く息を吐き、
そして――
拳を鳴らした。
ボキボキッ。
「……そうか……じゃあ……」
マコトが嫌な予感を覚える。
「……じゃあ?」
カリナはニヤリと笑った。
「ぶっ壊すしかねえな!」
そのまま空へ跳んだ。
勢いはまるで砲弾。
地面が揺れるほどの跳躍だった。
マコトは慌てて叫ぶ。
「……! マズイ! スカイさん! 全体的に防御魔法をかけて!」
スカイは驚きながらも即座に詠唱する。
「え! あ、はい!
《全域防護結界》!」
王を中心に、巨大な防御結界が展開された。
その上空――
カリナはフレアドラゴンの指輪に念を込めていた。
瞬間、彼女の身体が炎に包まれる。
恍惚とした表情で叫ぶ。
「くぅ〜……キタキタキタキタキター!!」
全身がフレア化し、
火ノ大剣も赤から白へ、そして金へと変色する。
炎の翼を広げるように、
カリナは超高度まで上昇した。
そして――
ダンジョンめがけて一気に降下。
「ウォォォォォォ!!!」
咆哮が空気を震わせる。
マコトは呆然と呟いた。
「……まるで隕石だ」
ルシファーも同じく見上げながら言う。
「……確かに」
カリナは落下の勢いをそのまま剣に乗せ、
地面へ激突する瞬間――
「火炎斬!!」
火ノ大剣が地面を叩き割った。
次の瞬間、
世界が白く染まった。
轟音。
爆風。
炎柱。
大地が揺れ、
天幕が波打ち、
王の護衛たちが思わず身を伏せる。
スカイは叫んだ。
「な、なんて威力……!」
ブラッドは目を見開く。
「……戦艦砲撃並みですぞ……」
爆煙がゆっくりと晴れていく。
そこには――
地面が大穴を開け、
地下へ続く巨大な空洞が露出していた。
カリナは煙の中から現れ、
火ノ大剣を肩に担ぎながら言った。
「……よし。開いたぞ」
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