第135話《西方遺跡ダンジョンへ》
魔導転移装置が完全に修復された直後、
スカイはしばらく言葉を失っていた。
前時代文明の遺産を“起動”させた者を、
目の前で見てしまったのだから当然だった。
やがて、震える声で口を開く。
スカイはマコトを見つめながら、
慎重に、しかし期待を隠しきれない表情で言った。
「……マコト様。
もしよろしければ、もう一つ……
試していただきたい場所があります」
マコトとルシファーは顔を見合わせる。
スカイは続けた。
「王国の西に、前時代文明の遺産ダンジョンがあります。
内部は完全に封鎖されており、
扉すら開かない状態です。
魔導士棟の百名を総動員しても、
まったく反応しませんでした」
ルシファーは興味深げに眉を上げる。
「扉が開かない……?」
「はい。
ですが……マコト様の能力なら、
扉を開けられる可能性があるのではないかと」
スカイの声は真剣だった。
前時代文明の研究者として、
この機会を逃すわけにはいかないのだろう。
マコトが返事をしようとした
その瞬間――なぜか、いつの間にかカリナが背後に立っていた。
「行こう!」
ノリノリで即答だった。
マコトは驚いて振り返る。
「カリナさん……いつからそこに……」
カリナは酒瓶を片手に、
当然のように胸を張る。
「前時代文明の遺産?
そんな面白そうなもん、行くに決まってんだろ!」
ルシファーも笑いながら頷く。
「マコト、これは行くしかないね」
スカイは深く頭を下げた。
「ありがとうございます……!
王国としても、ぜひご協力いただきたいのです」
こうして黒薔薇の翼は、
王国西方に眠る“前時代文明の遺産ダンジョン”へ向かうことになった。
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