第130話《バルハザード帝国、崩壊の瞬間》
かつてバルハザード帝国は、
海沿いの小さな 公国 にすぎなかった。
しかし――
歴代の王が武力による侵略を繰り返し、
周辺の小国を次々と併合。
魔導兵器と魔導軍港を拡張し、
魔導高炉“ヘルトム”を建造したことで、
ついに バルハザード帝国 と名乗るまでに成長した。
その歴史は、
「侵略」と「強奪」で彩られていた。
そして今――
その帝国史上最大の危機が訪れていた。
●バルハザード8世、怒り狂う
帝都の王城。
玉座の間は暗闇に沈み、
魔導灯がすべて消えていた。
バルハザード8世は怒り狂い、
玉座から立ち上がって叫んだ。
「どうなっておるのだ!!
なぜ魔導機器が使えん!!
真っ暗ではないか!!」
側近たちは青ざめて震えていた。
側近
「巨大魔導高炉“ヘルトム”が攻撃を受けまして……
ウイルスが流され、我が国の魔導機器は
全て使えない状態です」
バルハザード8世
「いつ復旧するのだ“ヘルトム”は!!」
側近は唇を震わせながら答える。
「……建て直すしかございません」
バルハザード8世
「……何だと!!
他の魔導炉はどうした!?」
側近
「……全てウイルスの被害を受けております……
我が国に魔導炉はもうございません」
玉座の間が静まり返る。
●魔導文明の完全停止
バルハザード8世
「じゃあ作れば良い!!
いつできるんだ!!」
側近は首を振る。
「……魔導動力が無い以上、作ることができません……
全ての工場が再起不能です……他国に魔導動力を融通してもらうしか
魔導炉を作る方法がありません」
バルハザード8世
「……なんだと……」
側近はさらに追い打ちをかける。
「全方位に紛争を起こしている我が国に
魔導動力を融通してくれる国など……」
●帝王の暴走案
バルハザード8世
「ならば国を奪えば良いではないか!!
全軍を一箇所に集結させて国を奪い、
その国の魔導炉を使うのだ!!」
側近は震えながら答える。
「……我が国に武器は存在しません……
戦車、戦艦、魔導機器は全て壊れました……残っているのは 剣と魔法だけ です……
国を奪うなど、とても無理です」
バルハザード8世は玉座の前で膝をついた。
「……どうすれば良いのだ……
帝国は……終わりなのか……」
側近は静かに答える。
「まずは紛争している隣国すべてと
和平条約を結ぶしかありません。
今攻撃されたらひとたまりもありませんから……紛争している領土はすべて献上形で……
そして 1から再建していくしかありません」
玉座の間は沈黙し、
帝国の終焉を告げる鐘の音だけが響いていた。
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