第125話《黒薔薇の翼・英雄帰還》
南国の静けさに帰還するボルケーノアイランドの夕陽が海面を金色に染める頃。
黒薔薇の翼の3人は、セレスティアのヴィラへ戻ってきた。
白い壁と青い屋根の南国風ヴィラ。
潮風が心地よく、
戦闘の熱気とは別世界の静けさが漂っていた。
マコトは手をかざし、魔力を流す。
「レジデューストレージ、セレスティア様とブラッドさん出す」
光が揺らぎ、
セレスティアとブラッドが現れた。
セレスティアは涙を浮かべながら深く頭を下げる。
「皆様、本当にありがとうございます……
私の護衛ばかりか、我が国まで救って下さって……」
カリナは肩を回しながら笑う。
「いえいえ、報酬分の仕事をしたまでで」
マコトも頷く。
「まあでも良かったです。全員無事ですし」
ルシファーは真剣な顔で尋ねる。
「リリアーナはどうなるんですか?」
セレスティアは少し寂しそうに目を伏せた。
「騙されたとはいえ、国の存亡を脅かしましたので……
これからは修道女として生きていくのが妥当ですかね……」
ブラッドは胸に手を当てて言う。
「……これでセレスティア様も安心して生活ができます。
黒薔薇の翼の皆さん、本当にありがとうございました」
セレスティアは微笑みながら続けた。
「国王も是非会いたいと申しております。
是非我が国に来て頂けませんか?」
カリナは疲れた顔で手を振る。
「……うん……まぁ気持ちだけ受け取っときますよ……
なんか疲れたし……」
セレスティアは少し肩を落とす。
「……そうですか……残念です……
追加報酬もありましたのに……」
カリナ「行きます!行きます!行きます!」
セレスティアは吹き出した。
「ふふ……ありがとうございます。
出発は5日後です。それまでゆっくりなさって下さい」
翌日 ― ボルケーノアイランド広場
赤竜およびフレアドラゴン討伐のセレモニーが開かれた。
広場は人で埋まり、
南国の花々が飾られ、
空には祝砲の魔導花火が上がる。
壇上には黒薔薇の翼の3人。
カリナは胸を張り、
マコトは少し照れ、
ルシファーは緊張して背筋を伸ばしていた。
ボルケーノアイランド島ギルドマスターが声を張り上げる。
「赤竜およびフレアドラゴン討伐の英雄、
黒薔薇の翼に――
賞金 10億ガロ を授与する!!」
カリナは叫んだ。
「よっしゃああああああああ!!」
マコト「カリナさん声でかい!」
ルシファー「でも気持ちはわかる」
――海辺でくつろぐ3人
セレモニー後、
3人は海辺のデッキチェアでのんびりしていた。
波の音、潮風、冷えた果実酒。
戦闘の疲れがようやく抜けていく。
そこへルナの声が響く。
『……あの……何か忘れてない?』
カリナが飛び起きた。
「あ!宝箱!
フレアドラゴン討伐の時バタバタしててストレージにぶっ込んだやつ!」
マコトも起き上がる。
「ですね!今出します!
レジデューストレージ、フレアドラゴンの宝箱!」
光が走り、宝箱が砂浜に現れた。
ルシファーが手に取り
「開けます!」
蓋を開けると――
赤い指輪が入っていた。
カリナ
「ルナ?何だコレ?」
ルナ
『フレアドラゴンの指輪よ。
着けて念じれば防具・剣がフレア化する超レアアイテム。
フレア化すると能力がケタ違いに上がるわ』
震えるカリナ
「すげえ!……コレ…欲しい…コレ私が貰っていいか?」
マコト
「当然じゃないですか」
ルシファー
「異議なし」
酒を手に取るカリナ
「くう〜お前ら最高!酒が美味い!」
ルナ
『……あのね……忘れてるのはこの事じゃないの……』
ハッとするルシファー
「………あ!グラディウス!」
マコト
「そう言えば収納してない!」
カリナ
「え!あいつらどこ行ったんだ?」
ルナが魔導モニタを展開する。
画面には――
バルハザード国営放送。
火の海と化した軍港。
黒煙が空を覆い、
魔導砲台が次々に爆発している。
《きっ来ました!魔のグラディウス編隊です!
軍港は全て破壊されました!
次々に軍事施設を破壊しています!》
カリナは酒を吹き出した。
「……マ……マコト……ヤバイだろいくら何でも!!
すぐに収納しろ!!」
ルナ
『さすがに遠すぎて無理よ』
ルシファーはゴーグルをかけ、立ち上がる。
「行くしかないですね……」
マコト
「レジデューストレージ!俺とカリナさん!」
カリナ
「ルナ!セレスティア様に先に行くと伝えて!
ルシファー!行け!!」
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