第12話 初めて“生きている”と感じた瞬間
早朝の森。
澄んだ空気の中、マコトの剣が風を裂く音だけが響いていた。
カリナは剣を肩に担ぎ、にやりと笑う。
「よし、お前の進化……私に見せてみろ。
本気でこい!」
「カリナさん……行きます!」
マコトは地を蹴り、一気に間合いを詰めた。
全力の縦斬り――カリナが受け止める。
ガァンッ!!
凄まじい衝撃が森に響いた。
「……っつ! 成長したな、マコト!」
カリナは嬉しそうに笑い、二人はそのまま打ち合いを始めた。
---
◆ マコトの心の中
(……今まで俺は何の努力もせずに生きてきた。
楽な選択ばかりして、努力する奴を鼻で笑って……
成功した奴は“恵まれてた”だけだと決めつけて……
そうやってスカして生きてきた……)
剣を振る腕が震える。
だが、それは恐怖ではない。
(今の俺はどうだ?
チートスキルを得たのもある。
でも回復後の努力は本物
俺は――生まれて初めて“努力”してる。
命を助けられて、そして必死でカリナさんを助けた…… 今度は狂戦士の力を借りずにカリナさんを助けたい……
なんだ、この感覚……)
胸が熱くなる。
(そうだ……今、俺は初めて“生きてる”んだ。)
---
◆ 漆黒の爪、解放
「マコト! 撃て!
漆黒の爪を撃て!!」
「……いいんですね!
撃ちます!!」
マコトは剣を構え、全身の力を解き放つ。
「――ブラッククロー!!」
黒い刃が地を削りながらカリナへ迫る。
カリナも剣を構え、叫ぶ。
「――断空斬!!」
二つの斬撃波がぶつかり合い、
黒と白の光が弾け飛んだ。
ドォォォン!!
爆風が森を揺らす。
---
◆ 引き分け
カリナは大笑いした。
「はっはっは!!
やるな、引き分けだなマコト!
今のお前――カッコイイぞ!!」
マコトは固まった。
(……え?
カッコイイ?
生まれて初めて言われた……
こんなに……気持ちいいんだ……)
胸の奥が熱くなる。
「……はい!
まだまだカッコ良くなりたいです!」
カリナは満足げに頷いた。
「…はっ!言うじやねえかマコト!よし、その意気だ!…2人で」
「最強を目指します!」
--




