第11話 蒼紋騎士団、そしてカリナの正体
早朝の森。
焚き火の火がパチパチと音を立て、薄い煙が空へ昇っていく。
マコトは黙々と素振りを続けていた。
その横で――カリナは豪快に爆睡している。
そこへ、空から二つの影が降りてきた。
青い紋章を胸に刻んだ魔導士が二名、飛行魔法で着地する。
「おい、お前」
「えっ、はい」
(なんだこいつら……)
魔導士の一人が顎をしゃくる。
「我々は 蒼紋騎士団 だ。
お前、漆黒の鎧の男を見なかったか?」
「いえ、見てません」
「そうか。一応ステータスを確認する……
ん? 金のブレスレットだな……
ああ、そうか……追放勇者か。死に損ないか。
ほら、とっととブレスレットを出せ」
(なんか横柄だなこいつら……)
その時――
「なんだなんだ〜」
カリナが肩に剣を担いで起きてきた。
魔導士は振り返り、そして固まった。
「お、もう一人いたか。お前もブレスレットを……
え! うそ……カ、カリナ隊長!!」
カリナは眠そうに目をこする。
「……なんだお前らか。
元だよ。今は元隊長の冒険者。
どうした、朝っぱらから」
魔導士たちは一気に腰が低くなる。
「い、いえ……その……漆黒の鎧の男を探してまして……」
「……見てねぇ。とっとと帰れ」
「し、しかし……」
カリナが鋭い目で睨む。
「……あ?」
「し、失礼しました!!」
魔導士二人は逃げるように飛び去っていった。
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マコトはぽかんとしたままカリナを見る。
「カリナさん……隊長って……」
「去年までな。アルヴァリアの兵士だった。
いろいろあってやめた」
「そうなんですか……
さっき言ってた“漆黒の鎧の男”って……」
カリナはマコトの胸を指で突く。
「狂戦士だろ。つまりお前だ。
伝説級だからな。アルヴァリアとしてはほっとけないさ」
マコトは青ざめた。
「……え、俺……そんなヤバい存在なんですか……?」
カリナは笑う。
「ヤバいぞ。
でも安心しろ、私がついてる」
その言葉に、マコトの胸が少しだけ熱くなった。
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