第117話《潜水艦ノストンの真意》
赤竜の死骸が消えた後の灼熱空間。
カリナは肩で息をしながら剣を担ぎ、ふらつきながら言った。
「くそ疲れた……で? 奪還する姫は……どこだ」
マコトが指をさす。
「カリナさん、あそこです!」
赤竜戦を見下ろしていた“天然の観覧席”。
土魔導士衆が掘った高台――ジャンコの見物場所だ。
カリナはマコトの襟首をつかむと、
「ほら行け!」
ブン!!
そのまま投げた。
「またこれ〜!!」
マコトは空中で体勢を整え、
ドラグレアの双剣 を展開しながら観覧席へ突入した。
■ ジャンコ、逃走開始
ジャンコはリリアーナの腕を乱暴に引き、
土魔導士衆と共に奥の通路へ走り出す。
「急げ! 塞げ!!」
土魔導士衆が術式を展開し、
通路を巨大な土壁で塞ぎ始めた。
リリアーナは泣き叫ぶ。
「いやぁぁぁ!! 離して!!」
マコトは双剣を構え、叫ぶ。
「逃がすか!!
レジデューアブソープ!!」
マコトから黒い能力が放たれ、
土壁の“細胞構造”が破壊されていく。
ボロボロボロッ……!
塞いでいた土壁が崩れ落ちた。
驚く土魔導士衆
「なっ……!?
土壁が……崩壊した!?」
マコトは即座に手を突き出す。
「レジデューストレージ! リリアーナ収納!!」
光が走り、
リリアーナの身体がふっと消えた。
ストレージ内へ安全に転送された。
マコトは双剣を構え直し、
ジャンコへ向けて叫ぶ。
「リリアーナ確保!!
ジャンコ!!
お前の計画は失敗だ!!」
■ ジャンコの嘲笑
ジャンコは立ち止まり、
ゆっくりと振り返った。
その顔は――勝者の笑みだった。
「……ふははははははは!!
勝った気でいるのか、黒薔薇の翼!!」
マコトは眉をひそめる。
「……なんだと……?」
ジャンコは口元を歪め、
狂気じみた笑いを浮かべた。
「クックック……
真の計画は“潜水艦を湾から離すこと”。
リリアーナはただの囮だ」
「……!」
ジャンコは続ける。
「今頃は――
バルハザード帝国の艦隊が、
ウインザード王国の北の湾を落としているわ。」
マコトは息を呑んだ。
「……!
な……なんだと!!」
ジャンコは勝ち誇ったように笑う。
「潜水艦ノストンは王国の“盾”。
それを動かせば、北の湾は丸裸になる。
お前らが赤竜に夢中になっている間に――
帝国は港を制圧したのだ!!」
灼熱の空間に、
ジャンコの笑い声が響き渡った。
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