第113話《空を裂く二つの空軍》
ルシファーはゴーグルを装着し、
空中で転移と飛行を高速で繰り返していた。
残像がいくつも空に線を描く。
ルシファーが目を見開く
「見えました! 飛行艇!!」
―黒炎牙・飛行艇内
操舵手が叫ぶ。
「目標接近、目標接近」
「来たな……魔族のガキ!
頼んだぞ、トルク! 空軍出撃!!」
空軍隊長トルクが敬礼する。
「了解です……
目標補足! 隊列を崩すな、出撃!!」
バルハザード空軍が一斉シファー目掛けて上空から降下した。
―ルナが即座に報告する。
『高度上空から飛行魔導士20体出現。
シグナルは……バルハザード空軍』
カリナは剣を肩に担ぎ、笑った。
「もう隠しもしないってわけね……
ではこちらも空軍を出そうかしら……マコト」
マコトは手を突き出す。
「はい!
レジデューストレージ! デビルダークネスファントム出撃!!」
ストレージ空間が光り、
黒い影が次々と飛び出した。
第4王子――
グラディウス・アビスロードが現れた。
その後ろには、
彼に忠誠を誓う4人の美しき配下たち。
全員がすでに飛行体勢に入っていた。
グラディウスは高笑いを響かせる。
「クッハッハッハッハー!!
マコト様! お呼びですか!!」
カリナは呆れたように笑う。
「……本当に眷属になったんだな、あのグラディウスが」
マコトは少し不安げに言う。
「よかったです……でも、ルシファーと連携してくれるかな……」
酒を飲むカリナ
「確かに…ルシファーを殺そうとしてた奴だからな」
「グラディウス! …ルシファーと連携してバルハザード空軍を倒して!」
グラディウスは一瞬固まった。
「ルシファーだと!!」
ルシファーは肩をすくめる。
「……だよね……あんだけ嫌ってたから無理か……」
マコトは肩を落とす。
「……ダメか……」
しかし次の瞬間――
グラディウスは満面の笑みで叫んだ。
「第8王子ではないか!!
久しいの……共に戦おうぞ!!」
マコトはガッツポーズした。
「よし!確執覚えてないみたい!!
みんな頑張って!!」
ルシファーは笑う。
「マコト、グラディウスは魔王軍で空軍を指揮していたエースだから安心だよ」
グラディウスは黒い翼を広げ、
空に向かって叫ぶ。
「デビルダークネスファントム見参!!
ゆくぞ皆!!」
クラリス「はい!」
キキ「了解!」
シータ「おう!」
メイ「……腹減った」
5人は凄まじい速度で飛び上がり、
バルハザード空軍へ突っ込んでいった。
―飛行艇内
飛行艇操舵手
「人影確認!目標5人 増えました」
目をひそめるベリー
「……5人増えたぞ。…転移か?どっからわいた?…補足してるか、トルク?」
トルクは冷や汗を流しながら答えた。
「……はい……よりにもよって、とんでもない敵ですね……」
ペリーは眉をひそめる。
「知ってるのか?」
トルクは震えながら言った。
「知ってるも何も……
去年の魔族大進行……
我が国に血の雨を降らせた5人ですよ」
ペリーは息を呑む。
「……え……魔族の…第4王子?」
トルクは続ける。
「第4王子グラディウス・アビスロードこと “第四天魔王”
クラリスこと “死神令嬢”
キキこと “死の魔女”
シータこと “天空の鬼姫”
メイこと “大食い”!全員……ネームドです!!」
ペリーは顔を真っ青にした。
「……な……」
トルクは深く息を吐いた。
「給料分の仕事はしますが……
期待しないでください」
空は裂け、
二つの空軍が激突しようとしていた。
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