第105話《黒炎牙・魔導キャノン迎撃》
ヴィラ上空に赤黒い光が走った。
魔導キャノン弾が落下してくる。
ルシファーが叫ぶ。
「来ました!魔導キャノン!!」
ルナが即座に反応する。
『やはり上から来たわね。
ルシファー、マコト、頼んだわよ』
「はい!」
――12時間前。
セレスティアはスイートのリビングで黒薔薇の翼と向かい合っていた。
マコトが口を開く。
「みなさん、お集まり頂きすいません」
セレスティアが首を傾げる。
「どうかなさったのですか?」
「ウチの戦略参謀のルナから報告があります。
セレスティア王女とブラッドさん、ルナとリンクさせてもらいます。いいですか?」
「かまいません」
「リデジューリンク。セレスティアさんとブラッドさんリンク」
ルナの声が二人の脳内に響いた。
『はじめまして、セレスティアさん、ブラッドさん』
ブラッドは驚いて跳ねた。
「うわ!聞こえる!はじめまして!」
セレスティアも微笑む。
「はじめまして、ルナさん」
ルナが淡々と報告を始める。
『では早速報告します。黒炎牙の海賊船が北の洋上に現れました』
セレスティアは息を呑む。
「黒炎牙!」
『先日のヒゲの男ジャンコ。
リリアーナの私兵になったと言いましたが――
黒炎牙の首領である事がわかりました』
カリナが眉をひそめる。
「……黒炎牙って何だ?」
『最近頭角を現している400人規模の海賊よ』
ブラッドは拳を握りしめた。
「我が国ばかりに略奪を行うんです……
リリアーナめ、黒炎牙なんかと手を組むとは……」
ルナは続ける。
『問題なのは海賊船に搭載された魔導キャノン砲。
町一つ吹き飛ぶほどの威力よ』
ルシファーが固まる。
「……町一つ……ヤバ」
『射程にここが入ってから船が動いてない。
ここを狙ってるとしか思えない』
セレスティアは震えた。
「……どうすれば……」
『このホテルは世界中の要人が多く宿泊している。
先日の襲撃を見ても、他の宿泊客に影響が出ないように
ピンポイントで攻撃している。
だから今回もこの建物だけを狙うはず。
界壁か何かを使ってね』
カリナが腕を組む。
「……で、作戦は?」
――そして現在。
ルシファーが叫ぶ。
「来ました!魔導キャノン!!」
ルナが即座に指示する。
『やはり上から来たわね。ルシファー、マコト、頼んだわよ』
「はい!」
ルシファーはゴーグルを装着し、
魔導キャノン弾へ向かって飛び上がる。
「マコト!!」
ストレージ空間内のマコトが叫ぶ。
「レジデューストレージ!!
キャノン弾収納!!」
赤黒い魔力の塊がストレージ内に吸い込まれた。
カリナが拳を握る。
「よし!キャノン弾確保!」
ルナが次の指示を出す。
『ルシファー!海賊船に向かって飛行&転移!』
「はい!移!移!移!」
ルシファーは空中で連続転移を繰り返し、
黒炎牙の戦艦へ向かって飛んでいった。
魔導キャノン弾は消えた。
黒炎牙の計画は、黒薔薇の翼によって完全に狂い始める。
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