第102話《剣鬼たちの夜と伝説肉》
砂浜に爆ぜた衝撃波の余韻がまだ残る。
カリナとブラッドは肩で息をしながら向かい合っていた。
そこへ――
「はいはい、2人とも〜」
マコトがのんびりと歩いてきた。
その後ろにはルシファー。
手には巨大な肉の塊……いや、明らかに普通の肉ではない。
ルシファーはにこにこしながら言う。
「お疲れですよね。
はい、口開けてくださ〜い」
伝説竜の肉を、
カリナとブラッドの口に強制的に突っ込んだ。
「おいルシファー!? んぐっ!」
「……これは……いったい……モグモグ……」
カリナは笑いながらブラッドの背中を叩く。
「食ってみろブラッドさん! マジでやばいから!」
ブラッドは噛んだ瞬間、目を見開いた。
「……こっ……これは……
うま!!」
次の瞬間――
ブラッドの身体が光り始めた。
筋肉が膨れ、傷が塞がり、
体力がみるみる回復していく。
「ううおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
滾る!!」
砂浜に響く雄叫び。
まるで戦神が降臨したかのようだった。
マコトは苦笑しながら言う。
「二人ともすごかったですね〜見てましたよ」
ルシファーは肉をかじりながら頷く。
「カリナさんのガチ……ヤバいです」
カリナは満足げに剣を肩に担ぐ。
「いや〜久しぶりに本気出したわ。
ブラッドさん、マジで強いよ」
ブラッドは肉を食べながら涙目で言う。
「……もぐもぐ……うま!
いやいや……強いと思ってたんですよね自分自身……
おごりでした……上には上がいるんすね……」
そこへ、砂浜に足音が近づく。
「……こんなところにいたんですかブラッド。
探したんですよ……って、何食べてるの?」
セレスティア王女だった。
カリナは肉を持って近づく。
「姫……あんたのとこのブラッド……マジで強いな……」
セレスティアは誇らしげに微笑む。
「ええ、これでも王国一の剣士……モグ」
カリナはそのまま肉をセレスティアの口に突っ込んだ。
「食え!」
「……な、何ですかこのお肉は……
モグモグ……うま!!」
セレスティアの身体も光り始める。
ブラッドが叫ぶ。
「姫ぇぇぇ!! 光ってます!!」
カリナは笑いながら酒を飲む。
「伝説竜の肉だ。
そりゃ光るわ」
マコトは夕焼けの海を見ながらつぶやいた。
「……なんか、南国バカンスってこういうのじゃない気がするんだけどな……」
ルシファーは笑う。
「でも楽しいですよね〜」
砂浜に笑い声が響いた。
しかし――
この穏やかな時間は、すぐに終わる。
黒炎牙の“全団員急襲”が、
すぐそこまで迫っていた。
【作者からのお願い】いつも読んでいただきありがとうございます!ここまで続けられたのは、読んでくださる皆様のおかげです。もし「続きが気になる!」「面白い!」と少しでも思っていただけたら、ページの一番下にある【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして評価していただけると、執筆の大きな励みになります!ほんの数秒で済みますので、ぜひ応援をよろしくお願いいたします!




