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地位を奪われた元ダンジョンマスター、7歳のギルド受付嬢に転生して冒険者を作成し、自分の作ったダンジョンを攻略します  作者: 夕綺柳
第四章

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第九十二話 ココとチェリー


「うい~♪」


 酔っぱらいがギルドに入ってきた。


 酒場があるから別にいいんだけど、昼間から酔っぱらっているのは、あまりいい目では見られない。


 ギルドにいた人も、アレは誰だみたいな話しをしている。


 その酔っぱらいは、テーブルに着くのかと思ったら、受付に来た。


 なんの用事だろう?


「いかが致しましたか?」


「ココの親父なんだが、ここに金を預けているらしいじゃないか?」


 ココ? ココさん?


「そういったことにはお答えできません」


「いいじゃないか、俺はココの親父だぞ?」


「では、ココさんを連れてきてください」


 酔っぱらいは、食い下がる。


「預けている金を出せ、泥棒か? お前は」


「こほん」


 ちょっと咳払いをする。


「貯金は、リーダーのグレイさんが管理していますので、そちらを通してください」


「6人パーティーなんだってな、なら6分の1を下ろさせてくれよ」


 話しが聞こえなかったのだろうか?


 質の悪そうな人だ。


「リーダーのグレイさんが管理していますので、そちらを通してください」


「グレイはココの幼なじみでな、親子も同然なんだよ」


「リーダーのグレイさんが管理していますので、そちらを通してください」


 酔っぱらいは、やれやれという風に頭を振る。


「じゃあココのツケで飲ませてくれや」


「当ギルドではツケができません」


 しばらく無言で天井を見る。


 そして……。


「ガキだからって、下手に出りゃあつけ上がりやがって」


 恫喝に出た。


「まぁ、こわい、でも、もっと怖い人達がたくさん見てますよ」


 冒険者達が、酔っぱらいを睨み付けている。


「ちっ、酒が不味くならあ、覚えてやがれ」


 そう言って、ギルドを出て行った。


 ココさんは、家庭に事情を抱えて居るみたいだ。


 お金を稼ぎたいのは、早く自立したいからなのか。


 あまり、パーティーの人には知られたくないだろう。


 わたしは、取りあえず心にとどめておくことにした。






 神殿から来る女の子達は、みんな連れ添ってやって来る。


 仲が良さそうだ。


 でも、チェリーさんはいつも1人でやって来るし、帰るのも1人だった。


 どうしてなんだろう?


 神殿から来る子に聞いてみることにした。


「チェリーさんって、いつも1人なんですか?」


 暇そうにしている神殿の子に聞いてみる。


 話し掛けられて驚いているみたいだったけど、普通に答えてくれた。


「一人でいることが多いですね、オリーブさんもそうですけど、神殿ではちょっと浮いています」


 オリーブは、新米冒険者のひとりだけど、ベテランの人と組んで冒険をしている。


 結構な大所帯で、戦力も強かった。


 家が名家で、祖父が最高司祭も努めたことがある。


 天上の歌の事件のときは、そのお爺さんに力になってもらった。


「オリーブみたいに、問題を起こしたりするの?」


 オリーブは、ツンデレというか、ちょっと性格に難がある。


 今はベテランの人と冒険しているからいいけど、同世代でパーティーを組んでいたら、揉め事が起きそうな子だった。


「問題は起こさないですけど……誰かと仲良く話してるの見たこと無いです」


 そういう感じか。


「いじめられてるとか、無視されてるとかじゃないんですよね?」


「ち、違います、神殿でそんなことはないですよ」


 神殿は品が良いようだ。


 それもそうか。


 でも、そうすると……個性なのかな。


 ひとりの方が好きな人はいっぱいいる。


「でも冒険者になりたくないって、えらい人と、その、言い合いをしているのは見たことあります」


 なんと、冒険者になりたくない感じなのか。


「神殿の若い子は、みんな冒険者になってるんですか?」


「いえ、自分で言うのも何ですけど、割としっかりした子を選んで送り出してます」


「冒険者はやった方がいいんですか?」


「はい、神殿でお勤めをしていても、中々位階は上がらないですし、偉くなるためには、いつか布教の旅に出なくてはいけません」


「そうなんですか……」


 神官も色々あるようだ。


 偉くなりたいのかはわからないけど、チェリーさんもなにか抱えているかも知れない。


「そのときのためにも、今から実力を付けておく必要があるんです」


「チェリーさんって、上昇志向タイプですか?」


「わかりません……お話ししたこと無いから……」


「なるほど、ありがとうございます」


 チェリーさんは、悩みがありそうですね。


 冒険者が嫌だとか、あるのかも知れない。


 でも、今は楽しくやっているように見えるけど……。


 ちょっと注意してみるように、覚えておいた。


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