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地位を奪われた元ダンジョンマスター、7歳のギルド受付嬢に転生して冒険者を作成し、自分の作ったダンジョンを攻略します  作者: 夕綺柳
第四章

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第八十七話 黄金都市の覚醒


「あそこ、なんか光ってない?」


 今日も下水道に来ていたグレイ達のパーティーは、その一角に光る場所を見つけていた。


 やっぱり、よく見えるのはチェリーだ。


「本当だ」


 近づくにつれて、みんなにも見えてくる。


「なんだろうあそこ」


「あれ、宝箱じゃない!?」


「下水道に宝箱?」


 シールズが警戒する。


「おかしい……ですよね」


 カーツ君もその異様さに驚いているようだ。


「わーい、初めての宝箱!」


 でも、ココにそんな危機感はなかった。


「そういえば、ベテランの人達が黄金都市が広がっているって、噂してた」


「黄金都市!?」


 高価なお宝があると噂される、黄金都市だ。


「罠を調べてみようか」


 ココが、道具を取り出して宝箱を調べ始める。


「や、やめた方が……」


「シールズさん」


 カーツ君がシールズに意見を求めてくる。


 宝は欲しい、でも、危険がある。


 シールズも、自分の宝だったら止めようと言えただろう。


 でも、頑張っている子達のことを思うと、判断が一瞬遅れてしまった。


 カチッと音がする。


「あっ」


 視界が一瞬、ぶれる。


 これは……テレポートの罠だ。


 今まで真っ暗だった下水道の景色が、光る黄金色の壁に代わっていた。


「テレポートの罠ですよ」


 パーティー全員がテレポートしている。


 シールズがみんなに教えた。


 まずい、黄金都市の中だ。


 最悪、悪魔と鉢合わせする。


「逃げよう、黄金都市のどこなのかわからないけど、速く逃げないと」


 グレイ君は弱気なんだけど、今回はみんな同じ意見のようだった。


「移動しましょう」


 緊急事態なので、シールズが先頭で歩く。


 でも、すぐに気付くけど……シールズ達がいる場所は、丸いひとつの部屋だった。


 壁には扉もない。


「特殊な場所みたいですね」


「密閉されているなんて……」


「取りあえず、悪魔はいないみたいだけど」


「ねえ、アレはなんなの?」


 ココが中心を指さす。


 部屋の中心にダンジョンコアのような物があって、なんだかわからない。


 シールズも見たことはないだろう。


「…………」


 シールズは、どうするか迷っている。


「でも、これを何とかするしかないんでしょうね」


 ダンジョンコアに触れる。


 すると、地響きのような震動が視界を揺らした。


 揺れてる!?


 地震!?


 シールズ達だけじゃない、わたしも揺れてる!


「なんだありゃあ!?」


「外に出て、様子を見た冒険者が素っ頓狂な声を上げた」


 わたしも外に出てみる。


 すると……街の近くに、黄金に輝くピラミッドのような建物が現れていた。


 街の外壁を越えた高さまであるピラミッドだ。


 こんなもの、どこから出て来たんだろう。


「おいおい、新しいダンジョンか?」


「うひょー」


 冒険者達は興味津々だが、あれはダンジョンじゃない。


 あれは古代都市の名残、ダンジョンマスターが作ったものではなかった。


 もう一度、シールズに同調すると、コアの近くに椅子があり、そこに女性が座っているのが見えた。


 いつの間に椅子と人が現れたのか。


 みんな怖がっているが、シールズが前にでる。


「あなたは?」


「わたくしは、ユーレルフィア王朝の最後の王、アイティラです」


「ユーレルフィア王朝!」


 詩人であるシールズは歴史に強い。


 その王朝の名前を知っているようだった。


 まぁ、十中八九、黄金都市の主だろうけど。


「そうですか、わたくしは蘇ったのですね」


「地底の王国が滅びてから、1000年が経っていると言われています、どうするおつもりですか?」


 みんな黙っている。


 この異常事態に、ついていけていないんだ。


「ユーレルフィアの再興……と、言いたいところですが、民のいない国の王など、むなしいだけですね」


 アイティラと名乗った女性が、空中を操作するように指を滑らせる。


「我が国の宝が盗まれました、都市を操作するコアです」


「都市を操作するコア」


 みんなそのことを知っている。


 領主様が言っていた、黄金都市をコントロールする装置だ。


「コアが無くなったために、都市が膨張しています。いずれ、この辺り一帯が黄金都市となってしまうでしょう」


「そんな」


 街がなくなってしまうのか、それはわからない。


 でも、あまりいい話しだとは思えなかった。


「それを取り返しに軍が動くようです、何度でも蘇る死なぬ兵です、勝つことはできません、宝を返してください」


「ど、どうしよう、このことを誰かに伝えないと!」


「私達を外に出してくれませんか? 宝を返すように伝えますので」


 チェリーは冷静だ。


 でも、女性は首を横に振った。


「コアがなければ、それもできません」


「そんな、それじゃあどうすれば!」


 わたしは同調を切って、領主様のお城に向かった。



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