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地位を奪われた元ダンジョンマスター、7歳のギルド受付嬢に転生して冒険者を作成し、自分の作ったダンジョンを攻略します  作者: 夕綺柳
第四章

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第八十六話 鍛冶職人


「そう言えばよ、鍛冶屋のジイさん、ぽっくり逝っちまったらしいぜ」


「マジかよ、他のところは値段がたけえし、兵士の面倒ばっかりだからなぁ」


「後は、二丁目の通りの若い職人か」


「あれは、腕も性格も悪いから兵士の鍛冶ができねえだけだよ」


「でも、そこしかねえからなぁ」


「…………」


 なるほど、鍛冶師が足りないのか。


 マジックアイテムに全身、身を包んで、なんて夢のまた夢な冒険者がほとんどだ。


 ましてや、若い子達が冒険で使った武具を修理できないなんて、死活問題だろう。


「パパ、ギルドの鍛冶場ってまだ使えるの?」


「鍛冶職人が辞めてしまって、使ってないけど、悪いところがあれば修繕して使えるようにするよ」


 肉や果物、薬草、もちろんマジックアイテムとか、ギルドに持ち込まれた物はパパが売りに行く。


 今日は、モルソー君がついて行くみたいだ。


「そうなんだ……」


「どうしたんだい? 鍛冶職人が来たのかい?」


 どうしよう、でも、作るしかないか。


「うん、ちょっと仕事をできるところを探している、流れの鍛冶職人さんらしいんだけど」


「それなら、うちでやってもらおう、雇うのか、場所を貸してお金をもらうのか、どんな形が良いか相談しないとだけど、腕は良さそうだったかい?」


「うん、凄腕だと思う」


 まだ作ってないけど、凄腕にはすると思う。


 できれば、今のダンジョンマスターを倒すための、武器を作れるくらいの人だったら尚いい。


「コットンが言うなら間違いないね、是非うちに来て欲しい」


「わかった、そう言っておくね」


 うん、じゃあ作らないと。


 でも、腕が良いと、頑固だったり偏屈だったり、鍛冶屋って難しいんだよねぇ。


 できれば、若い子達の面倒見てくれそうな優しい人がいいんだけど……。


 はっ。


 ほっ。


 てりゃ。


 できた……。




【名 前】 ブライアン

【年 齢】 67

【職 業】 シルバーハンド(SSS)

【レベル】 18

【体 力】 B/A

【魔 力】 C/B

【信仰心】 C/B

【筋 力】 B/B

【生命力】 B/B

【素早さ】 C/B

【知 恵】 C/B

【幸 運】 A/A

【成長率】 S/S

【スキル】 鍛冶職人〈SSS〉

【因 果】 諦念

【装備品】 オリハルコンの槌(SS)

【気持ち】 初心者のナイフを研ぎたい




 作った。


 これならどうかな。


 歳は67歳だから、ちょっとご高齢だけど、腕は抜群に良いはず。


 職業名が鍛冶師じゃなくて、シルバーハンドだもんね。


 よし、銀の月冒険者ギルドで活躍すると、付け加える。


 すると、ものの数分で男がやってきた。


 この人かな?


 67歳にしては若いから別人か?


 鑑定。


「んん……?」


 鑑定すると、ハーフドワーフだった。


 ドワーフの血が混じってるから、長生きなんだ!


 ドワーフと言えば、もう、歴史の表舞台から姿を消して100年以上経つ。


 まぁ、ハーフだから大丈夫なのかな。


 とりあえず、話を聞いてみよう。


 男が受付の椅子に座る。


「鍛冶の仕事がしたいんだが、ここで雇ってもらえるか?」


 なんか、ダウナーな感じだ。


 偏屈では無さそうだけど……。


「なにか、鍛冶の目標とかありますか?」


「もう伝説の武器も作ったし、ユニコーンの角も、オリハルコンも、もういい、俺は、普通の武具を修理したり、初心者用の、ちょっと使いやすいナイフなんかを作りたいんだ」


 なんか、来るところまで来ちゃった人なのかな。


 冒険といえばドラゴンでしょう! みたいなところを、冒険といえばゴブリン退治でしょうみたいな。


 フナに始まりフナに終わる、その終わるとこら辺にいるのかも。


「是非お願いします、鍛冶場はギルドに併設されてますから、そこで足りない物は教えてください」


「ほう、ここで打てるのか」


 鍛冶職人の人を鍛冶場に案内する。


「パパ、話してた鍛冶の人が来たよ」


 まだ出かけていなかったパパが、対応してくれる。


「あなたですか、早速契約したいんですが」


「契約? 好きにしてくれ」


「いや、しかし……」


「俺は、毎日鉄を打てればそれで良い」


「では、歩合にしましょうか、忙しそうならお支払いする額も上げます」


「好きにしてくれ」


 鍛冶職人は、鍛冶場に入っていく。


「お嬢ちゃん、火種はあるかい?」


「はい、今持ってきます」


 厨房から火をもらってくる。


 鍛冶職人は、残っていた木炭に火を入れていた。


「大分使ってなかったみたいだが、まだこの炉は生きてるな」


 そういうのわかるんだな。


「直すところは直しますから、言ってください」


「ああ、俺はまた、鉄を打てるんだ……」


 なんか、しみじみとしている。


 わたしは、受付に来る人に、鍛冶場ができたことを教えていった。




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