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地位を奪われた元ダンジョンマスター、7歳のギルド受付嬢に転生して冒険者を作成し、自分の作ったダンジョンを攻略します  作者: 夕綺柳
第四章

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第八十五話 新米パーティーの初陣3


「お帰りなさい、大丈夫でしたか?」


 わたしは、見ていたことなんておくびにも出さずにそう言う。


「みんな無事でした、なんとか5匹倒してきましたよ」


 ちょっと照れくさいみたいに、グレイ君が言った。


「では、回収したジャイアントラットは、モルソー君に渡して、解体してもらってください」


 みんなで、マジックバッグに入れたジャイアントラットを、解体所に出す。


「あ、ジャイアントラットは処理しないといけないから、こっちに出して」


 獣は全般そうだけど、ジャイアントラットは特に、血に毒がある。


 病気を持っていたりするのも、鳥や猪だってそうだ。


 でも、ジャイアントラットは特に処理が必要だった。


 ハダン君が、メモを渡している。


 解体所で出した肉なんかは、こういうやりとりをしていた。


「出してきたよ」


「はい、ジャイアントラットが1匹で銀貨10枚のクエストだから、合計で50枚、ジャイアントラットの肉と皮が一匹銀貨10枚だから、全部で銀貨100枚です」


「おおおおおっ」


 銀貨100枚と言えば、中々の大金だ。


 大人のお給料の半分か、3分の1くらいにはなる。


 それをものの数時間で稼いだのだ。


「私はギルドからお金が出てるから、5人で分けていいよ」


 シールズが、そう提案する。


 もらってもいいと思うんだけど、まぁ、それでもいいか。


「じゃあ、銀貨20枚ずつだな」


「死ぬ思いして、銀貨20枚かー」


 ココが、嬉しいやら、残念やら、複雑な声を出した。


 でも、80%くらいは喜びの声だ。


「あの、みんな聞いて」


 グレイ君が呼び掛けた。


 みんな真面目に聞く姿勢を見せている。


「まず、パーティーで貯金をしたいんだ」


「貯金~?」


 ココが嫌そうな声を出した。


 嫌なんだろうけど。


「それで、みんなの装備品なんかを計画的に買いたい」


「じゃあ、銀貨20枚は……」


「そのとき得られた報酬の、半分を貯金しようと思うんだけど」


「そうだな、そうしよう」


 カーツ君が賛成した。


 チェリーさんも頷いている。


 アーレイは、うんうんと頷いていた。


 お金持ちだったからね、国王の私生児で、天上の歌の幹部が兄だったんだから。


「それと、消耗品を使い切っただろう? それの補充とか、今日は良いけど、装備の修理とかもお金がかかる」


「え、じゃあ……」


 ココが不安そうな声を出す。


「それはどうする? 貯金から出した方がいいと思うんだけど」


 カーツ君が、そう提案した。


 損だから自分の消耗品を使わない、なんて事態は避けないとね。


「貯金して何を買うのっ!」


 ココが爆発する。


 お金に執着があるみたいだ。


 冒険に関しては、いい動機付けなんだけどね。


「まずは、ココの武器からだ、直接戦うのが苦手そうだったから、ショートボウを買おう」


「いいな、そうしよう」


「いいよー」


「え、あの……」


 ココが戸惑っている。


「チェリーは装備が良いから、しばらくお預けだけど良いかな」


「私の私物じゃないわ、神殿の物よ」


「うん、そうしたら、その次はアーレイの楽器がいいと思う」


「うん」


 アーレイが頷いた。


「詩は楽器があると良いんだろう?」


「おーけー」


「アーレイは楽器の練習頑張れる?」


 シールズに確認されるけど、それも頷いた。


「うい」



 こういうマネージメントも、リーダーの仕事だ。


 こういう面を評価しての、グレイ君のリーダーだからね。


「じゃあ、銀貨50枚お預かりします」


 グレイ君の冒険者証に預かり金を登録する。


 ギルドは、お金を預かる仕組みもあった。


「銀貨一枚は、銅貨10枚で渡した方がいいですかね」


「そうしてください」


 薬草採取で大量に必要な銅貨がいっぱいある。


「じゃあ、みんなでココの弓を見に行こう、いくらの買うかみんなで相談だ」


「うううううっ、よし、行こう!」


 ココは吹っ切れたようだ。


 みんなの財産という感覚は、早く身につけないとね。


「それじゃあ、中古の品を売っているいいお店を紹介しますね」


「そんなお店があるんですか!?」


「はい、まだ未使用の新古品なんかが出ていることもありますので、お得ですよ」


「やったー、ありがとう!」


「これを毎日つづければ、すぐに一人前の冒険者になれる!」


「あ、ジャイアントラットのクエストは、今週までですから、その後は、肉代だけになりますよ」


「……来週のクエストは?」


「まだわかりません」


「来週のことはさ、来週考えようよ」


 みんな、なんとも言えない顔になるけど、その後笑う。


「そうだな、ココもたまにはいいこと言う」


「カーツ、それは酷いんじゃない?」


 そうして、またここに、冒険者のパーティーが誕生した。



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