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地位を奪われた元ダンジョンマスター、7歳のギルド受付嬢に転生して冒険者を作成し、自分の作ったダンジョンを攻略します  作者: 夕綺柳
第三章

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第七十一話 邪教と光神


 魔力の開花したカーツ君を鑑定してみると、そこには……。


 サロードという邪教の神のスキルが開花していた。


 サロード教とは、隣国のミクロリニアで猛威を振るっている邪教で、混沌の神々の一柱だ。


 サロード教では、人は加護を受けて生まれ落ちるとされていて、それ以外の生き方を否定している。


 商人になりたいと努力していても、加護が奴隷なら奴隷として生きねばならないという教えだ。


 この加護が、サロード教の司祭になると見えるらしくて、本当のことを言っているのか嘘なのかもわからないので、迷惑な教えだった。


 加護に反した生き方をしている者は罪で、殺されてしまうことも珍しくない。


 これは困った……どうしよう。


 カーツ君事態は真面目だし、誰かに教えを強要したりもしていないし。


 魔力を感じたのは、サロードのスキルを獲得したからだ。


 多分だけど、鍵開けと関連した加護を持っているんだろう。


 だから、鍵を開けた瞬間に開花したんだ。


 わたし達の住んでいる街アンデマンドは、ミクロリニアと接している。


 どこからサロードの教えが流入して来るかわからない。


「…………」


 これは……作成するしかないかな。


 光神バルリオンの信徒を。


 バルリオンの信徒は、混沌の神の信徒を改宗させるスキルを持っている。


 でも、バルリオンの教えに目覚める人は少ない。


 バルリオンの神殿でも、男神魔法を使える人はあんまりいなかった。


 大変かも知れないけど、やるしかないか。


 日が暮れる前に孤児院の子達が帰ってくる。


 それまでにやってしまおう。


「さて、<魔物作成>」


 はっ。


 ほっ。


 てりゃ。


 できた……。




【名 前】 オニール

【年 齢】 21

【職 業】 聖職者(A)

【レベル】 54

【体 力】 B/B

【魔 力】 C/C

【信仰心】 SS/SSS

【筋 力】 B/B

【生命力】 A/A

【素早さ】 C/C

【知 恵】 C/C

【幸 運】 C/A

【成長率】 A/A

【スキル】 バルリオン<SS>

【因 果】 感謝

【装備品】 ホーリーシンボル(A)

【気持ち】 神のために尽くしたい




 21歳で能力がほとんどカンストしている。


 多分凄い努力家だ。


 この人で大丈夫だろう。


 銀の月で活躍すると付け加えて作成する。


「ふぅ……」


 まだ日は暮れていない。


 まぁまぁ、頑張った。


 今日の夜くらいには来るだろう。


「ウェルカーム!」


 そこに、何か叫びながらギルドに入ってくる人がいた。


 この人だ……激しい不安に晒されながら、わたしは受付に入った。


「いらっしゃいませ、どのようなご用件ですか?」


「このギルドにぃ、入っちゃおうかなって!」


 明るい人なんだな。


 さすが光神バルリオンの信徒。


「ユウ、暗いねぇ、もっとハッピーにいこうYO!」


「はぁ、まぁ、普通ですけど……」


 バルリオンってこういう感じなんだ、知らなかった……。


 わたしは苦労しながら受付を済ませると、今後のことについて相談した。


「冒険者として活動するおつもりですよね?」


「もちロンろん! 冒険者として活躍しちゃうYO!」


「神官は人手不足ですから助かります」


 もうこのノリに突っ込むことはせず、受け流していく。


「僕がぁ、パーティーを選んでも良いのかな?」


「いいですけど、相手の意向もありますので……どんなパーティーがお好みですか?」


「もうヤダ恥ずかしー!」


 顔を両手で隠してイヤイヤをする。


 ノリが……辛い……。


「やっぱりぃ、イケメンがいるパーティーかな?」


 テヘッみたいに笑顔だけど……思い出した。


 男神魔法の使い手は、半分くらい同性愛者の方だったんだった。


「うーん……」


 うちでイケメンと言えば、フラニールさんだろうか?


 若い子が多いから、同年代の二十歳以上とすると結構限りが有る。


「何歳くらいがお好みですか?」


「もうヤダー、この子ハッキリし過ぎぃ!」


 ネジルさんも、ダンディに渋いイケメンだけど60歳超えてるし、聞いておかないといけないかなって。


「でもぉ、やっぱり頼りがいがあってぇ、優しくてぇ、強い人ぉ! 恥ずかしー」


 うん、フラニールさんかな、それでいいや。


 それよりも、本題だ。


「あの、ちょっとお願いがあるんですけど」


「なにかなぁ~」


「ちょっと、隣町で混沌の神の教えが流行っていまして、この街にも影響が出てるんですよ」


「ほうほう」


「改宗してもらえればと思うんですけれども」


「いいYO、その人を教えて」


 軽いな。


 お金とかもとられないみたいだ。


「カーツ君」


 カーツ君が座学を終えて帰ろうとしているところだった。


「はい、なんでしょうか」


「ちょっといいですか」


「あーん、かわいい子! 将来イケメンになるぅ~」


 オニールさんが、身体をくねくねとさせる。


「えっ、なんですか、この人……」


 危機感MAXという感じで、カーツ君が一歩離れる。


「ちょっと、カーツ君は病気みたいになってまして、この人に治療してもらいます」


「え、元気ですけど」


「急に魔力が沸いてきたのはそれが原因なんですよ」


「そ、そうなんですか?」


 そう言われると断れないみたいで、カーツ君も大人しくなる。


「じゃあ、やっちゃうYO!」


 すると、今までのふざけた面持ちはどこかに消え、厳かとも言えるような厳しい顔つきになる。


「我らの父に願い奉る、かの者の教えを正し、未来へと導き給え」


 なんか、手刀で印を切る。


「コンバージョン!」


 特に光とか音とかはなく、コンバージョンが完了した。


「ユウ、新しい人生初めちゃいなYO」


 これが、オニールさんの決め言葉みたいだった。


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