60 エピローグ
俺達はリゼの会社の研究部門に軟禁されていた。
魔法少女連盟が逮捕するといっても、関係者がかなり多かったため、いったんこの場所に全員が押し込められていたのだ。
勿論、これまで通りにできるはずもなく、魔法少女連盟の職員達が常駐した上でだ。
食堂は普通に使えたので、俺はリゼやハヤテと一緒に食事を取っていた。
「魔法少女連盟とやらも随分と悠長ですね」
「こんなに関係者が多いんだもん。仕方ないでしょ」
「一人ひとり処遇を決めるのも大変そうだしな」
周囲では逮捕されてここにいるはずのスタッフ達が食事を取っていたり、酒盛りをしたりしている。目的を果たした後なのだ。羽目を外したくもあったのだろう。
「紅一さんとリゼさんはこれからどうするんですか?」
「奈雲家の闇使いとしての活動は終わりかな。やり遂げることができたから」
「あたしも同じ。これまで、打倒ネクロズガカを受け継いで頑張ってきたけど、叶っちゃったからね」
「サイファーギアはどうするんです?」
「サイファーギアは一緒にいるよ。もう相棒だから、全部終わったから処分ってのはないでしょ」
リゼが次元収納からサイファーギアを取り出してそう言うと、サイファーギアは電子音を返した。
「魔法少女連盟がそれについて何か言い出したら俺達も抗議するから言ってくれ」
「ありがと。そうね、その場合はお願いしたいかな」
他愛のない会話をしていると、母がやってきた。
「紅一、皆さん、本当にお疲れ様」
「母さん。うん、終わったよ。これで父さんにもいい報告ができる」
「ええ。あの人もきっと喜んでいるわ。叶うなら、見届けてほしかったけれど」
「魔法少女連盟が俺達にどういう処遇を言い渡すか分からないけど、出られるようになったら墓参りに行こう」
「勿論よ。大丈夫、ネクロズガカを倒したんだから、考慮してくれるはず」
母とそんな話をしていると、リゼの祖母である凜香さんやハヤテの母もやってきて、彼らも彼らで言葉を交わしていた。
リゼは凜香さんと話し終えると、こちらにやってくる。
「おばあさん、どうだった?」
「風香さんが会いに来てくれたって。紅一のところに亜紀さん達が現れたのと同じだったみたい」
「そっか。会えて良かったな」
「ホント、そう思うよ」
本当に、よくやり切ったと思う。俺もリゼも、少し空っぽになってしまったかもしれないけれど。
「しかし、確かにこれからどうしようかねぇ?」
「魔法少女連盟からの処遇はどうなるかってところだね。あたしは、魔法少女を続けるべきなのかどうか」
「リゼの場合、サイファーギアも使えるからな」
「でもチーム・ユーラルとまた組ませてくれるんだったら、ユーラル・アクアとしてやった方が連携取れると思うな。サイファーギアは他の魔法少女と連携するのは嫌がっちゃうだろうし」
「なるほどな。でも、そもそも闇使いとしての活動はやっぱりノーかな」
「可能性は高いよね。魔法少女連盟は渋りそう」
リゼは腕を頭の後ろに回して椅子に寄りかかった。俺も膝を組んでだらけているし、緊張感は吹っ飛んでいる。
「もう闇使いを続ける意味もなくなっちゃったよな」
「そうなんだよね。新しい何かを見つけないとな~。せっかく高校生やってるんだし、あたしも部活でもやってみようかな」
「そういう方向もありだな。まあ、何かやることは見つけなきゃな」
「うん。あ、そういや、一段落ついたし、誰か紹介するよ」
「そんな話もしてたっけ。ははっ、そうだな、そっちにエネルギーを向けるのもありかもな」
リゼと他愛のない話をして笑い合う。
大きな目標を達成してしまったわけだけれど、日々は続く。
まずは目の前の高校生活で何をするかを決めるのが良いか。何をやっていこうか。
完




