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24 動き出す結社

 桜乃(さくの)が、チーム・グレイスから聞いたという情報は俺達にも伝えられた。


 公にはなっていないランク4位と5位の魔法少女チームの敗北。ショッキングな情報だと思う。しかし、結社アルコの活動が進むのであれば、いずれ一般の魔法少女チームも知ることになるのではないか。


 年末年始は、チーム・ユーラルでも初詣に行ったりする余裕はあった。魔法少女の活動をしつつ、受験という、中学生にとっての一大イベントもこなすことができた。しかし、その直後、事件は起きた。


「緊急招集!?」

 支給されている情報端末から流れてきた情報を見て、俺は思わず叫んだ。


 急いで支度をして家を出ると、ちょうど桜乃も移動するところだった。


「あっ、桜乃!」

「紅一(こういち)、これって!!」

「分からない! とにかく拠点に行こう!」

「うん!」



    ◇



「魔法少女連盟、日本支部の研究施設が襲撃されている」

「やたら強い魔物が大群でね!」

 理人(りひと)とユリールが俺達に告げた。


「まさか、結社アルコが!?」

「そうでしょうね……」

「じゃあ、その魔物って……?」

 恐らく、あの廃村で製造されていたという魔物に間違いない。既に移動させられていた魔物を使ったんだ。


「でも、何で研究施設なんかを?」

「何か(・・)が、あるんだろうね」

 リゼが険しい表情で言った。


「そうか、魔法少女が抱えている大問題」

「結社No.7ゲルマが言っていたあれね」

「探り当てられたってことか。何なのか分からないけど」

 段々と情報が繋がっていく。魔法少女達が廃村を攻撃した時、現地にいた結社No.5ファルコンは、自分達は囮だと言っていた。なら、あの廃村に意識が向いている間に、今回の研究施設を探り当てられていたのかもしれない。


「それで、救援要請が来ているって?」

「ああ。かなり広い範囲で出ている。ランク入りの魔法少女チームだけでなく、一般の魔法少女チームも対象だ」

「なら、私達も行かないと!」

「そうなるね。急いで準備しよう」


 準備をするといってもアイテムの確認ぐらいだ。さっと済ませ、俺達は玄関に集まった。そこには、車のような形状の、しかしタイヤがない乗り物があり、運転席らしき場所に理人が座っていた。


「魔法少女連盟の魔法道具だ。これで空を飛んで(・・・・・)いこう」

「理人、運転できるの?」

「これは車じゃないから、一般の運転免許は不要」

「あはは、そうなんだ」

 理人の言葉に笑顔で反応する桜乃の顔に、未だに胸の辺りを鷲掴みにされる感覚はあるものの、正直、そんなことを言っていられる状況ではなかった。


 これは、もう間違いなくネクロズガカ絡みだ。現封印に関する何かが、これから行く施設にあるに違いない。



    ◇



 研究施設はある山の中にあった。上空から見ると、到着した魔法少女チームが応戦しているようで、色のついた発光や爆発が起きている。例によって認識阻害が働いているのだろうが、よくこれで一般人にバレないものだと思う。


「降りる前に変身しておこう!」

 桜乃がそう言うと、他の3人も頷き、魔法少女に変身した。


 降り立って施設入口に到着すると、奮闘していたのはランク10位の魔法少女チームだった。これ以上、魔物が侵入しないようにそこで攻撃を続けているが、既に多数の魔物が中に入ってしまったとのことだった。


「ここは私達に任せて、中をお願い!」

「了解です!」

 ランク10位チームの指示に理人が代表で答え、俺達は中に侵入した。


「こ、これは……!?」

 施設内は大混戦になっていた。あちらこちらで魔法少女と魔物が戦っている。相当に強化されている魔物のようで、魔法少女達が大苦戦していた。


「指示は何かないの!?」

「えっと……、最深部への到達は絶対に阻止せよ、だな」

 俺が情報端末を操作し、見つけた情報を皆に展開する。


「ならば、深部を目指そう。今戦っている魔法少女は、彼女達を信じて任せる。援護は不要だ」

 理人の言葉に全員で頷き、俺達は深部を目指した。


 移動する俺達にも、魔物の攻撃はあった。チーム・ユーラルも強くなっていて、足を止められることはなかった。


 しかし、


「こ、これは……!」

「いるわね、何か、物凄い奴が……!」

 ユーラル・トパーズとラベンダーが驚いて足を止めた。当然、俺も感じている。物凄い闇の力を。


「結社アルコのNo.持ちが来ているのか」

「そうだろうね」

 理人とユリールが通路の先を凝視しながら言う。


「ごめん、紅一はここで待機!」

 ユーラル・ハートが俺を見て言った。一般人は連れていけないということだ。


「分かった」

 俺は残念そうな振りをしたが、別の場所にいる方がいつでもヘルプに入れるので、好都合だった。


 チーム・ユーラルの皆が走り去った後、俺は戦闘スーツを展開した。

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