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余次元住まいのハザマ様!part7 御影の光 編  作者: 山桃


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8/19

室生家の同人誌と要らぬ誤解

人物紹介



室生 初音 : 地方の芸大生 

     室生本家のお役目候補


ハザマ様 =室生(むろう) 透青(とうせい)

      室生家の巫覡(ふがき)をしている。

      中の人は月島(つきしま)秀青(しゅうせい)で芸大の助手をしていた


室生 御影(みかげ) : お役目様の内孫三人衆の内一人

     霊的能力を持つ 初音の婚約者


雨宮 青児(せいじ) : ハザマ様の異母兄弟 絵の才能が凄い


あれから青児さんのアドバイス通り、あのゆるい犬の絵を何種類か描き起こし、型染めにした卒業制作の試作品を作ってみた。

アトリエの同級生たちに見せると大好評で、絶賛された。

「前の優等生っぽい作品より、絶対にこっちの方が初音ちゃんらしくて良いよ!」


「……すごく和むなぁ。初音ちゃんそのままだね」


青児さんの言う通りにして良かったとしみじみと思っていると、

「……そっちの方が良かったでしょ?」


背後から、あの低く透き通った声が聞こえてハッと振り返る。そこに立っていたのは、晴れやかな笑顔の青児さんだった。


「青児さん! 帰ってきたの……!?」


「うん。君にも直接、謝りたくて」


青児さんは少し気恥ずかしそうに寄ってきて、ふと思いだし

「それにしても……君の彼氏って、超能力者か何かかな? あの時は本当に凄かった……」


「え、あ……えーっと、我が室生家が誇るシャーマン集団のひとり……なんです」


「ああいう規格外の人が、何人もいるんだ……?」


呆然と呟く青児さんに、私は苦笑いを返すしかない。


「私も毎日驚かされることばかりですよ。御影様の記憶を読み取る能力、見たでしょ?」

「この間なんて、青児さんに手のひらを揉まれた時の記憶から浮気実況(?)をされて、めちゃくちゃ追い詰められたんですから」


そう言って私が笑うと、青児さんはしみじみとした様子で頷いた。


「……僕、彼のことを誤解してた。本当はすごく人のことを考えてくれる、温かい人なんだね」


あれから青児さんの中で御影様への評価が180度変わったようだ。すると青児さんは「あ」と声を上げた。


「そういえばこの間、君に謝ろうとして室生家の屋敷の前をうろうろしていたらね……使用人の女性だと思うんだけど、僕の顔を見るなり『ハザマ様!?』って叫んで、これを渡されたんだ。……同人誌みたいなんだけど」


青児さんが差し出してきた冊子の表紙を見た瞬間、私は血の気が引いて顔が真っ赤になった。


(あ……! それ、室生家内で秘密裏に回覧されている、藤城(ふじき)さんたちの同人誌だ……!)


「あ、あの……それは! 室生家内に極秘で流通している同人誌……なんです……」


青児さんは首をかしげ、不思議そうに表紙のタイトルを見つめている。

「ハザマ様とかいう人と間違えられたみたいなんだけど……その人って、僕の兄の透青(とうせい)のことじゃないの?」


「そ、そうなんだけど……それはね、室生家中の腐女子連合が夜な夜な夜なべして作った、妄想のBL本で……」


「僕の兄って、その……君の彼氏と……そういう関係……?」


青児さんの瞳に恐ろしい疑惑が宿る。


「違います違います!! 100%腐女子の妄想なんです!! 御影様は超ノーマルですし、ハザマ様とも健全なライバル関係ですからーーっ!?」


私は青児さんの要らぬ誤解を解くため、汗だくになりながら必死で言い訳をする私であった。




【参考URL】part5《最終話》室生一族に出回る同人誌

https://ncode.syosetu.com/n1063mw/8/

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