34.ヒヒイロカネの狩刀
伊藤高校、昼休み。
美鈴と透華はジルコニアでのことについて話していた。
「ね、美鈴…『ヒヒイロカネの狩刀』ってどんな存在なの?」
透華はそう聞く。
「調べてみたけど、『狩刀』に関しては分からないかな。ただ…他の『ヒヒイロカネ』の武器については幾らか調べたよ」
「…そもそも何個くらいあるの?」
「ええっとね、『大和エリア』のコミュニティにおいて確認されているのは、狩刀を含めて5つ。今までは『四天装』とかどーとかって言われてたみたい」
美鈴はそう説明した。
透華はさらに問いを投げる。
「他の4つって?」
美鈴は指を四本立てて、まず1つ目を折って言った。
「一つ目は『神刀』。これは愛称で、正式名称は『ヒヒイロカネの真刀』。効果は単純明快。所持者の望んだ場所へ瞬間移動できるって効果。まぁ…制限はあるみたいだけど」
透華は『なるほど』とこくこく頷いた。
2つ目を折り、美鈴は続ける。
「二つ目は『斗槍』、正式名称は『ヒヒイロカネの闘槍』。効果は攻撃力へのバフ」
透華は『…意外とあんまり強くなくない?』と思いつつ、こくこくと頷いた。
美鈴は指を折り続けた。
「三つ目『葬弓』、正式名称は『ヒヒイロカネの葬弓』。効果は『宙に撃つことでその本数を20に増やし、降らすことができる』らしい。ただ、あまりに硬いがためにそもそも引けるかどうか…みたいな感じのようね」
透華は『…あれ?そんな強くなくない?』と思いつつ、頷いた。
美鈴は最後の指を折った。
「四つ目は『死槍』、正式名称は『ヒヒイロカネの屍槍』。これでNPCを貫けばゾンビを作れるらしい」
透華は小首を傾げた。
「…そんなに強くなくない?」
「まぁ…ヒヒイロカネの一番の利点は『壊れないこと』だから。それと…これは噂なんだけど、これらの武器はまだ未覚醒状態なんじゃないか…なんて言われてるの。実際、英語コミュニティなんかでは『ただの壊れない武器は大体、特定の実績を解除した人間が持てば覚醒して、その真の効果を発生させられる』なんて言われてるし」
美鈴はそんな説明を口にする。
「実績…?」
透華はそんな制度、何も知らない。
「あー…えっとね、一応あると思われている裏制度って言うべきかな。全ての実績が秘匿されていて、実績を解除するとそのこと自体、通知は簡単にしかされないけど、プロフィールに『実績』が増えて、二つ名が貰えるよーみたいな。ペネロペとかは多分…実績解除したのかな」
美鈴はそう言う。
透華はその言葉を聞いて、考えた。
…確かに、成長選択表とかもホントにしれっと追加されてたし…そういう感じでしれっと追加されるのかな。




