29.優勝と成長と…あとパーク
舞う紙吹雪に、渡されるガラスのような優勝カップ。触れると冷たく、どうやら溶けない氷でできているとわかった。
「こちら、報酬金となります!」
報酬金を持って出てきたのは桜色のスライムだった。
「やったねライカ!」
ベルカはドンドンッと強くライカの背中を叩きながらそう言った。
「…これから…どうしよ」
ライカは少し悲しそうに言う。
「…?家を買うんじゃないの?透華」
ベルカはライカのその表情を敢えて無視し、馬鹿っぽくそう言って、笑いかけた。
「あ……そうだった。報酬金だけで家を買えるの?」
ライカ…いや、透華はハッとして、ベルカにそう聞いた。
ベルカは少し考えるような表情をした後、答える。
「んー…一応、私は2勝して城を買ったよ?」
「じゃあ…屋敷とかなら買えるのかな」
「かもね」
ベルカはポンポンとライカの頭を撫で、そう言った。
ライカは珍しく、一人でジルコニアにいた。
ベルカは生徒会の手伝い?だかなんだかで1時間ほど遅れてくるらしい。
ライカはメニューを開き、そして妙なものを見つけた。
バグった表示をしているそのボタンをポチッと押す。
すると、どこからともなく、ローグライクゲームによくある3つの選択肢が出てきた。
『?』と書かれたヘルプボタンを押すと、『こちらは決闘大会で優勝した大型種のため成長選択表になります。レベルが10上がるごとに1回、新しいパークを選択できます。指標として選択割合も出せるため、良ければご活用ください』と出てきた。
…選択割合…ふーん?
選択肢一つ目は大型化。体力と攻撃力、そして攻撃範囲が増える。代わりに身体が大きくなり、当たり範囲が増える。一番不人気。
二つ目は小型化。体力と防御力が増え、そして当たり範囲が減る。代わりに通常攻撃が弱くなる。一番人気。
三つ目は装甲化。単に体力と防御力が増える。二番目人気。
当然、大型化を選択した。
何かが変わった…気がする。
ただ、見た目は何も変わらない。
もしかすると、人型であるために当たり範囲…もとい身体の大きさは変わらないのかもしれない。
…まだベルカが来るまで時間があるし、試そう。
ライカは平原に立っていた。
『通常攻撃』を出すために、指を鳴らそうとした。
ドンッ
ライカはその攻撃で2度驚いた。
まず、指を鳴らす前に攻撃が出たことに驚いた。
そして、攻撃を繰り出せる範囲が明らかに伸び、威力が上がっていることに驚いた。
そして、ベルカに自慢しようと心に決めた。
…褒めてくれるだろうか?




