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逆張り斜に構え少女が最弱種族と最弱役職を組み合わせた結果、強くなってしまった話  作者: 倉石 雨


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27.殲滅戦③

ライカは待機場でフードを被ってちょこんと座り、俯いていた。


ベルカはその隣に座り、ライカに微笑んでみせる。

「次は『リン』って名乗ってる優勝候補の女の子だよ」


ベルカは敢えて明かしていないものの、『リン』は同じ高校の冠田莉央で、彼女と透華とは一度会っている。


ただ、ライカは特に反応することもなく、こくこくと頷き、


「…強いの?」


とだけ聞いた。


ベルカは透華の記憶力の高さを理解していたので、その短い言葉に少なからず動揺した。


どうして莉央について何も言及しないのか…と。


「……え…あぁ…どうだろう。まぁ…近接武器を多用するタイプの子だから、普通に勝てると思うよ」


「…そっか」


ライカは呆気ないくらいに、素っ気なく、そう言った。



『リン』は赤髪ロングの鎧付きドレスを着た女だった。


ライカは今まで通り、フードを深く被り、佇む。


リンはサーベルを構える。

その動きに観客席が湧いた。


…優勝候補の試合は観客席が盛り上がるのだろうか?


「始めッ!」


リンはライカの方へ駆け出した。


ライカはただゆっくり歩いた。


リンのサーベルはライカの首を捉え、真っ直ぐに飛んだ。


ドンッ


カウンター攻撃っ?

…リンは本能的に、サーベルを離した。


その判断は正しかったようで、激しい衝撃にサーベルはぐにゃりと曲がり、リン自身も突き飛ばされ、両手の指の幾つかが折れていた。


ライカは気にする様子もなく、ただ、立ち止まってリンの方向を見た。


…攻撃が…来るッ!


リンは本能的にそう感じ、ホルスターのフリントロック式短銃を抜いて、バッとライカの視界から外れようとする。


ライカはローブの中で指を鳴らす。


ドンッ


リンは強い衝撃を受け…気づけば観客席にいた。


観客席は呆然としていて、声すら上がらない。

その光景を見て、ライカは無言で決闘場を去った。



準決勝、相手は『暁の魔女』の二つ名を持つ『ネオ・ペネロペ』。

彼女は帽子の中から鞭を取り出し、何かを唱えて、鞭に炎を纏わせる。

その際、頭に山羊のような角が生えているのが見えた。


…ああ、匪獣種と人間種の混合種…アンカーと同じタイプなんだ。


「始めッ!」


ペネロペとライカは互いにゆっくりと歩き出した。


ペネロペはライカの姿を見て、初心者の魔法使いだろうと判断した。


ただ、彼女もライカが準決勝にまで勝ち進んだ点はちゃんと理解している。


なので警戒していた。


ライカはペネロペが攻撃してこないことに小首を傾げ、そして先手を取ろうと指を鳴らした。


ドンッ


ペネロペは瞬間移動でライカの後ろをとった。


そのまま鞭でライカの首を刎ねようとする。


が、そんなことライカは既に見越していた。


スキル『反重力防御』を発動。


ペネロペは鞭ごと宙に吹き飛ばされた。


彼女は驚いた。こんな攻撃初めて…いやしかし、攻撃なら防御が発動するはず?


ライカは『反重力防御』を発動したまま指を鳴らす。


ドンッ!


ペネロペは肉片にはならず、直前でそれを避け、またライカの後ろに飛んだ。


ただ、『反重力防御』はまだ発動したままなのでまた宙に舞う。


…あとはそれの繰り返しで、ペネロペはMP切れを起こし、空中で肉片に変わった。


ライカはそれを見上げ、血の雨が降るのを眺めながら、口角を上げた。


これなら…アンカーも殺せる。

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