26.殲滅戦②
ライカは予選Eブロックを一瞬で勝ち上がった。
ちなみに…今回は服を少し変えて、大きな銀のローブを着ている。
Eブロックには優勝候補レベルのプレイヤーがいなかったため、瞬殺である。
案外呆気なく本選に行けてしまって、ライカは少し拍子抜けしていた。
本選は26人で、ライカはシード枠ではない20人のうちの一人であるため5勝する必要があり、初戦の相手はFブロックの勝者である。
「…どう?防御は上手くいってる?」
ベルカは待機場でちょこんと座っているライカにそう声をかける。
「……相手の攻撃があんまり強くないから、分からない」
ライカは少し悲しそうに俯き、そう言った。
「まぁ…一応今回の大会もアンカー出てるっぽいから、アイツで試せば良いよ!」
ベルカはそう声をかける。
「…そうなんだ」
ライカの声はどこか嬉しそうだった。
やっぱり何か違う…と、美鈴は感じた。
Fランクの勝者、『ラックランド』は金髪の騎士だった。
見た目だけで剣士系の職なのだと分かる。
ライカは露骨に気落ちした。
…近接系の敵はスキル『弾く』でどんなに適当に戦っても勝てるのである。
多少の飛び道具を使ってこようと『弾性魔法防御』で逸らせるし、逸らしきれなければ『弾く』の追加発動で勝手に砕け散る。
これは魔法もそうだった。
「始めッ!」
『ラックランド』は鼻息荒くライカに接近していく。
ライカはフードを深く被り、ゆっくりと歩いた。
そして『ラックランド』の前に行く。
『ラックランド』はニヤッと笑って、大剣を構え、ライカを切ろうとした。
ドンッ
次の瞬間、ライカの『通常攻撃』が大剣を伝って鎧に伝わり、『ラックランド』の身体ごとグニャッと曲がって、ラックランドは倒れ伏した。
ライカは無言でそれを見つめ、そして指を鳴らした。
ドンッ
次の相手はマスケット銃を装備して、ロビンフッドのような格好をした『スラム・ショット』が相手である。
…フードを被ったライカは、またも溜息をついた。
『スラム・ショット』は号令前から銃をこちらに向けている。
開始と同時に撃つ算段だろう。
「始めッ」
ダンッ!
弾丸はライカを避け、地面にめり込んだ。
ライカは歩く。俯きがちに。
「はッ!?」
『スラム・ショット』は焦りながら再装填を行い、また発砲した。
ダンッ!
狙い澄ましたにも関わらず、また当たらなかった。
それに、地面へのめり込み方が明らかに急角度すぎる。
そこまで分かって、やっと相手が防御をしているのだと理解できた。
…何せ不可視の防御なのだ。
気づけないのも無理はない。
『スラム・ショット』は近づいてくるフードの女から逃げようと、走ろうとした。
次の瞬間、ライカは指を鳴らした。
ドンッ




