14.お泊まり?
学校。昼休み中。
透華と美鈴は教室で一緒に焼きそばパンを齧っていた。
「ね、透華、今日…私の家に来ない?」
美鈴はそう提案する。
透華は齧った焼きそばパンを呑み込み、口を開く。
「…なんで?」
美鈴の予想した通りの反応だった。
「……透華、最近ちゃんとご飯食べてるの?」
「うっ…」
透華は図星を突かれたような反応をした。
「…今日は家族でちょっぴり豪華なご飯を食べるの。だから、透華も食べないかなって」
美鈴は水筒でお茶を飲んだ後、そう言った。
「…なんで私?」
斜に構えている…というより、透華は本当に疑問を抱いていた。
その純粋な疑問に、今度は美鈴が図星を突かれた。
「……っと…えーと…最近、透華が心配だから。なんなら、私が透華の家に行こうか?」
そう言われて、透華は思った。
…流石に家に入れるのは…なんか嫌。
「じゃあ…私が美鈴の家に行く」
「ほんと!?やった!」
美鈴はとても嬉しそうに笑った。
放課後。『ミクバ』に乗る美鈴に引っ付いて、二人乗りで美鈴の家へ行く。
何気に透華は人生で初めての『ミクバ』乗車で、内心ヒヤヒヤしていた。
「どう?透華、怖くない?」
美鈴は余裕そうにそう言う。
「べ……別に…」
透華のその声は少しだけ震えているけれど、美鈴は気づかなかった。
着いた家は二階建てで、透華の住むコンクリート製の邸宅とは打って変わって、温かみのある色合いの木造邸宅だった。
「ただいまー!連れてきたよ」
「お…お邪魔します」
美鈴に続いて透華は家に入った。
玄関にはエプロンを着た女性が立っていた。
…美鈴っぽい雰囲気がする。
「まぁ!!この子が言ってた透華ちゃん?」
「そうそう。泊まらせて良いよね?」
「もちろん!よろしくね!透華ちゃんっ!」
…美鈴の母親か姉か…よく分からないけど、透華は気にしないことにした。
「…よろしくお願いします」
透華はぺこりと頭を下げた。
美鈴の部屋に通されて、透華は早速、質問することにした。
「……泊まるって?」
「あ、言ってなかったっけ?じゃあ…今言うね。今日泊まってってよ!」
美鈴はニコッと笑ってそう言った。
「……え…着替えは?」
「私のを使って!」
「そもそも…なんで?」
「夕食食べたあとに帰るって、外すっかり暗いし、だめじゃない?」
透華は美鈴の言葉に何か、薄っぺらさを感じた。
「……本当は?」
透華がそう言い、見つめていると、美鈴は諦めたような顔で、口を開いた。
「…本当は、ただ透華と一緒に寝たかったから…」
透華はその言葉に、何か…斜に構えた言葉を返そうと口を開いたが、何も思いつかなかった。




