選択された奴隷達 一本道
ここら辺山なんじゃねぇの
俺はもう一度ソファに寝転がった
親父のPC、モニター、行ったところで誰かのイタズラだったりするかもだろ。
もはや決まっているじゃないか。
自分の親父のディスクの上にあるんだぞ?
気になるに決まってるだろ
身体は勝手に親父の車のガレージに動いていた。
勝手に? ははっ
何が勝手にだ、嫌気がさす。
俺は車のドアをあけ、半分、高揚感を抱えながら、ゆっくりと椅子に座った。
運転なんて初めてだから緊張するぜ…
免許?
いらねぇだろ。
ハンドル握って踏むだけの作業に勉強かよ
舐めてるだろ
認知症なりかけが乗ってて安全か?
シャッタを開けたその瞬間ワクワクと、緊張が胸に走る。
まぁ、大丈夫だろ
落ち着け、目的地は遠いがなんとかいける
胸に親父の誇りを感じて、肩を叩かれてる気分だ
悪くない
勢い余った感情と同時にアクセルを踏みメモリの40に合わせる
羽が生えた気分だ
*
紆余曲折あって、車体は……まぁ、気にするでもない…
どこがだ。全体的に怪しいはずだろ
ふぅ…にしても山だな…こんなところに何があるってのさ。
諦めるのは早いしもうちょっと探してみるか。
そして、数時間が経った……数時間だ……
でも…道が変わってるから、進んでる気がするし
目的地までは、結構距離がある…
だが、山が抜けない道路なんて、おかしい
普通街に繋がってるはずだ。
少なくともそのために道が敷かれているはず
なんだ…
違和感を感じざるを得ない
自然に携帯に手が伸びる…今いる場所は…どこだ
ナビは一本道を表示するだけだった
そうか。
いや、いや
ちょっとまてよ。
一本道の画面を拡大してみると…
は?
「はぁ?」
いやいやいやいやいや、は?
ずっと拡大しても一本道しかねぇんだけど…
やばくねぇか…
ちょっと巻き返してみるか…
車が向こうから来る可能性はあるが
この際、それは些細な問題に過ぎない
ぶつかろうがなんとかなる。
だけど、なんとかならない事が待ち受けてる
なら
選択肢は一つだろ。
…いや
*Come here ここに来て*
行かなくちゃな……
家族が死んでも何も感じなかった、
そんな自分がここで引き返して良いのか
怖いってだけで。
これが俺の罰だとしたら。
大人しく受けるのも、正しい事なのかもな
まぁ、中途半端な自分も嫌いだが
罰を受けるなら白紙か
力の抜けた足に力を入れアクセルを踏んだ。




