↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
130/256

第127話 老人の手紙 ⑧

しかたなく私は、暗くなるまでこの海岸で真っ赤に染まる夕陽を眺めていたのです。


何故あんなに遠くにある太陽の熱がここまで届くのだろう?


宇宙空間には、空気はないのにどうして暖かさが伝わってくるのだろう?


太陽は何処からエネルギーを取り込んでいるのだろう?


1日も休まず燃え続けている太陽は何処から燃料を補給しているのだろう?


海の水はどうして海底に染み込んでいって無くならないんだろう?


私のひとり問答は止まらない。


宇宙は何処まで続いているのだろう?


いつ宇宙はできたのだろう?


私は何処からきたのだろう?


私は何処へいくのだろう。


天獄や地獄はほんとうにあるのだろうか?


何ひとつ私は分からない。


私は死んだらどうなるのだろう?


記憶も感覚も何もかも、なくなってしまうのだろうか?


それとも天国か地獄に行くのだろうか?


いろんな疑問が溢れて止まらなくなってしまった。


90年も生きてきて、まもなくこの人生を閉じようとしているのに何も知らない、何も分かっていない...


あなたが神なら答えて欲しい!


何故、八重子はあんな姿で死ななければならなかったのか?


父や母がどんな悪いことをしたというのか?

神なら答えられるはずだ。


答えてみろ!


何故、私がろうあ者として生まれてこなけれはならなかったのか?


答えてみろ!


何故、私を愛してくれる女性がひとりも現れなかったのか?


答えてみろ?


私のひとり問答は神に対する怒りに変わっていた。


本当の自分の姿が炙り出されていた。


その時、はっきり気がついたのです。


私は神に問うていたのだ。


それは私が神の存在を認めていることに他ならない。


本当に神などいないと思っているなら、神に対する怒りも質問もないはずだ。


私は神を信頼してはいないし、信じてもいないが、神の存在は認めているのだということに気がついたのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。