2 領の発展
マリエールの領は発展中だ。灌漑、養殖、品質管理で、他の領地を圧倒している。元婚約者の領地の主要産業の酒造産業が打撃を受けた。
2 領の発展
マリエールの領は発展し続ける。最初は売れる農作物や海産物を多目に収獲するだけだった。より良い農作物や海産物、加工食品などを得るため灌漑や養殖、品質管理を行う事にした。マリエールは領主に言った。
「葡萄は、水田ではできませんが砂漠でもできません。一定量の水が必要なのです。水量を確認して適切に管理する者が必要です。」
領主は農業の事、水産業の事、食品加工の事に関して大きな権力をマリエールに与えた。当然の事である。領の発展はマリエール商会が担っているのだから。
これまで製酒業は元婚約者の領が盛んだった。しかしながら品質管理ができていなかった。不純物の除去、アルコール発酵の管理、熟成------------。全ての面でマリエール商会が勝っていた。王都の居酒屋で良く聞く話しだ。
「飲み比べる良く判るな。エールとビール、同じ値段なのにビールの方が断然美味くてアルコール度が高い。エールなんて水みたいな物さ。」
同じ製法なのに品質管理でかくも違う。他の酒でも同様な事が起こっている。
水産業はまた話し別だ。クラーケンを食料にしている者はマリエールとその手の者だけだ。水産業や養殖業を行っている者も同様だ。
製酒業という主要産業に打撃を食らい、水産業という新しい産業で農作物の売り上げも落ちた。マリエールの元婚約者はなりふり構まわずマリエールを求めた。たとえ討伐対象になろうともマリエール得るチャンスを失ってはならない。元婚約者は強引に求婚を始めた。まず手紙だ。手紙には、
「マリエール、君なしでは僕はいられない。君は僕の星だ。月だ。太陽だ。君なしでは僕はいられない。君は僕の夢だ。希望だ。望みだ。君なしでは僕はいられない。君は僕の水だ。土だ。風だ。君なしでは僕はいられない。君は僕の全てだ。君は美しくて甘い、まるでクリー厶のようだ。僕と結婚してくれ。-----------------------。」
マリエールは怒り沸々と込み上げた。どうしてやろうか真剣に考えた。討伐の許可出ている。後は煮て食おうが焼いて食おうが勝手だ。元婚約者の領地は風前の灯、せいぜい足掻くがいい。討伐されるその日まで。
次は元婚約者が両親と一緒に会い来るという。飛んで火に入る夏の虫。捕まえてくれというような物だ。軍で取り囲んで待ち伏せしよう。なにを言い出すか楽しみだ。
マリエールは両親に話して承知した旨の返書を送った。日時は一週間後の昼過ぎ、場所は前回婚約破棄を決めたのと同じ場所だ。
夏の虫は、20匹ほどで火の中に飛び込んだ。討伐されるとも知らないで。到着すると同時に会談が始まった。お互い三人づつだ。まず元婚約者が発言した。
「前回の婚約破棄を訂正したい。あの時は、マリエール令嬢の左腕欠損というあまりにも酷い事態で動揺してしまった。あの時は悪かった。本来君守るべき私が動揺してしまったため、君を見放してしまった。今度こそ君を見放さい。婚約を継続してくれ。君が成人したら結婚しよう。」
この期に及んで巫山戯た事をぬかすな。
元婚約者はマリエールとのよりを戻すのに必死だ。熱烈な愛告げる手紙、両親と共に来るという訪問、飛んで火に入る夏の虫だ。




