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フラグは折って捨てるモノ

「だから、グレン!お互い魔髄は必要!絶対必要!

魔髄タイムは、私にもグレンにもお得なお知らせなのよ!

だから早く行こう〜」


グレンに催促を繰り返すサリーを見ながら、

強くなるとは決心したものの、いや、急に強くなる事はなくてですね

……魔髄タイムって言われてもな、

このまま行っていいのか?

何かあったらまたサリーは記憶を失う?

実際、何一つ理解も解決策もないよ、俺


「ぐーれーん!何をそんなに悩むの?

ボーナスタイムを逃したら、それこそ後悔するよ!

こんなチャンス滅多にないんだから」


「わかったよ、なぁ、最後にこれを読んでくれないか?」

「いいよ!でも、読んだらいくよぉお」


タブレットで見せたのは、

ダンジョンが閉鎖した直後に出てた木の看板。

大きい木の板に、黒い見たことないインクで書かれてる文字。


「グレン、これは、『元気に準備中!!』って書いてるよ。

ほら、準備期間終わったんだよ、早く行こうよ!」


やっぱり読めてる、しかも即答?

この世界で読めるのはこいつだけ?

それにしても……


「ダンジョンって元気とか落ち込むとかあるのか?」

「ダンジョンコア次第じゃない?」

「ダンジョンコア……お前の口から出る言葉はびっくり箱だな。

コアなんて本当にあるのか?」

「バカなのグレン?無かったらどーやってダンジョン維持するのよ?」

「バカ……俺、バカなのか?えっ?コアって何よ?」


サリーは準備を進め続け、


「ポーションよーし、魔力ポーションよーし! あっ、ミルク!」

「は、必要ない。割れてミルクまみれのポーション瓶、臭そうで俺は嫌だ」

「むぅ、わかったよ。帰ってきたらミルクたくさん頂戴ね」

「はぁ、わかったよ。もうあとはダンジョン行く間に聞くよ。

ちょっと待て、俺も準備するから」

「うん!はやく!早く!」


玄関で足をバタバタさせ、キラキラの目で早く早く~と

催促しているサリーを見て、

「犬みて〜だなw」笑みがこぼれた。


「はいはい。今行くから。それと、ほらタオル。

少しはクッション代わりになるだろう。

どうせならポーション入れ買ってからにするか?」

「いい。割らないように気をつけるから」


(いや……割れる時は割れるが、でもまぁ俺が倍持つからいいか)


いつもなら一つだけ巻くポーション入れを2つ腰に巻き、

イレギュラーに備え、エリクサー2本と魔髄を1本隠し持った。

そして、前回と同じく、魔力を借りるとなったら、その時は俺もそこへ行こう。


「なぁ、サリー」

そう言いながら、ひょいと抱きかかえ、歩き始める。


「お前、そのさっき言ってた、魔核金融って俺でも行けるの?」

「行けるけど、だめだよ。あの子達性格悪いんだから」

「性格悪いのか……なら、お前も借りるなよ。二度と」

「……」

目を逸らすが、抱き抱えられている以上、逃げ場は少ない。

「いいか、その時は他の方法を考えよう。

それか、どうしても借りるなら俺も連れていけ、そこへ。約束な」

「……」

「サリー、約束してくれないなら、俺はダンジョンへ行かない」

「……」

「サリー、出会ってからの時間なんて関係ないぞ。俺はお前が大事なんだ」

「……」

「だから、約束しないなら行かない」

「あの子たち性格悪いし、記憶はランダムに取られるし、あと期間がわからないんだよ」

「聞くとえげつないな、目安とかないのか?

こぇーよ、記憶ってなんだ、そいつら、怖いわぁ

やっぱり、行く時は一緒に行くぞ」

「性格悪いのに?」

「あぁ、性格悪くてもだ」

「うん」

「あっ、待て、お前それ、詐欺のヤツだろ」


じっとサリーの目を見るグレン。


「あいまいはだめだ。何となく危険だ。

お前が約束するって言わないなら、帰ろう。

魔髄なんて要らん」


「グレン!?必要なんだよ?グレンは深淵潜るんでしょ?

グレンは自分のレベルいくつか知ってる?」

「レベル?王都まで行かないとだめだな。

王都の上級魔導具なら、レベルが出るが、ここのは出ない」


「うわぁ、型落ちだったのかぁぁ!

そうだよね、私のタグに載ってないし、出てこなかったもんね」

「お前、深淵に行くなら、どのレベルが必要って知っているのか?」


家に戻りながら話すグレンに、サリーは慌てて、


「グレン!ダンジョンあっち!」

「お前が約束しないからな、帰る」

「ぅううぅ、わかったよ、約束する。」

「本当か?」

「うん。ただ、二人とも寝たら、どの道ヤバイよ?」

「寝るのは決まりなのかよ!」

「うん。起きるのはオプションだから高いんだよね」

「なんかそいつらとは会いたくねぇ!」

「あっ、フラグ立ったね。グレン、ニッ」

「やーめーろー!そんなフラグ折って捨てろ」


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