ななごん&しのべい
サリーは、グレンを見ながら、
「ねぇーグレン、私が寝ても間違えて、燃やさないでね」
「……えっ??今度はなに?もう無理、やめて」
「グレン、私、絶対起きるから、待っててね」
そう言った途端、糸が切れたかのように、
サリーの身体から力が抜けた。
「うぉわ!!サリー!!」
返事はない。
「おい!」
肩を揺する。
「サリー!」
微動だにしない。
「おい!!」
世界は反転する一一
◇ ◇ ◇
エックスキューズミー!!
はいはいはい!!
皆さんの〜心のお供〜
魔核金融へようこそぉぉぉ!!
いえぇぇぇい!!パフパフパフ!
「……」
「さぁ本日も呼ばれて参りました!」
「僕の名前は、ななごん!」
「はい!僕は、しのべいだよ!」
「「よろしくね!」」
「かったりぃぃい」
「ノンノン!」
「そんなこと言わないの!」
「おっ?」
「あれ?お久しぶりです、サリー様ー」
「「本日のご用命は?いかほどですかー?」」
「第一封印が使えない」
「ほうほう」
「魔力不足で使えない」
「なるほどなるほど」
「第一封印を使えるまで、魔力を貸して」
「いいですよー」
「サリー様はお得意様ですからね」
「魔核金融がじゃんじゃん貸しますよ〜」
「さっさと貸して」
「えーー?久々なんですから……」
「ねぇねぇ、ななごん、第二封印ぐらいまでなら」
「うん、しのべい、そうだね」
「「無担保で〜お貸しできますよ!」」
「いらない」
「あれ~?サリーさん今日は本当に、ノリが悪いですね~」
「急いでるの!」
「でもここの空間は、時間止まってますよ〜」
「うるさいな!久しぶりに良いご主人だから早く戻りたいの」
「「おっ?なにが、久しぶりなんですかぁ?」」
「逃げろって……俺の前から出るなって……言ってくれたの」
サリーは本当に懐かしそうにはにかんだ。
数秒間、何かを確認するように、ななごんとしのべいは目を合わせたが、
「「ふ~~ん、そうですか」」
「「つまらないですね〜」」
「では、ちゃっちゃと、貸出しにいくよ〜
しのべい計算して差し上げて!」
「はいよ!ななごん、僕の計算だと〜」
ドゥルルルルルルル……ドン!
「元金と利息込みでたったの7日間!いぇーい」
「借りますかぁぁ?」
「借りませんかぁぁ?」
「いいよ、それで」
「「お借入れ!ありがとうございますぅ!では、元金と利息7日間分合わせて――」」
「「あなたの記憶をいただきます」」
「「またのご利用をお待ちしております」」
パチン――
◇
「おい!」
グレンの声。
「サリー!!」
目の前の少女が、ゆっくりと立ち上がる。
(目の前のご主人の名前はわかる……なら、どこの記憶を……な〜んて考えても、消えたんだからわかるわけないのにね。久しぶりだったから、な〜んか考えちゃったよ、バカだね〜私……よし、さてちゃっちゃとここから出よう!)
「グレン、退いて!敵は待ってくれないし、それと、私絶対起きるから、待っててね!約束だよ!」
「サ、リー?何を……」
「第一封印解除《穿天》」
視界がすべて白に染まり、次に現れたのは、
銀色の長い髪に、透き通るような肌。
人間離れした美しい少女。
グレンの目が驚愕で見開く、次の瞬間
ズガァァァァァァァァァン!!
世界に穴を開けるかのように、
壁。
床。
天井。
全てが爆音と共に一直線に繋がる。
見上げると
「空?」
青い空に、輝く太陽の光。
流れてくる空気。
「グレン、飛べるよね?!」
銀髪の美しい少女が、当たり前のように言う
「飛ぶ?……えっ?飛ぶ?いや、
ここが何階かも分かんねぇ、そうじゃない!
羽ナイ。飛べナイ。」
「魔力を固めて、ジャンプ。ちなみにここ3階。
ごめん、もう無理。打つ分しか借りてないから」
そう言うと、銀髪の少女の姿が揺らぎ、
先程と同じように倒れながらいつものサリーへと戻る。
グレンは慌てて、サリーを抱きかかえ空を見上げる。
「何から突っ込めばいいんだよ!!!!なんなんだよぉ!!」
今回も読んでいただきありがとうございます!
グレンの常識は今日も元気に崩壊中です。
「魔核金融」ななごん&しのべい
軽いノリでやることがエグい双子さんですw
それでは、また次回もよろしくお願いします!




