029:魔法少女はバリ三電波を掴みたい。
029:魔法少女はバリ三電波を掴みたい。
SIDE アルカナ・フレア
地を這う無数の黒髪が、逃げようとする私の脚に容赦なく絡みつく。
スリットの奥、逃げ場のない聖域にまで入り込もうとする髪の「指先」が、じわりと力を込めて肉に食い込んできた。
「いや……っ、離して……離してよぉ……っ!!」
バーニアを逆噴射させて抵抗するが、地面を無残に削りながら、私はズルズルと魔人の足元へと手繰り寄せられてしまう。
装甲をミシミシと締め上げる不気味な感触。
屈辱と恐怖で全身の毛穴が総立ちになり、噛み合わせた奥歯がガチガチと音を立てて震えた。
迫りくる、魔人の漆黒のドレスの裾。
見上げた視界の端、逆光の中で魔人が口元を三日月のように歪め、これから始まる「食事」への悦びに身を震わせて笑っている。
(あ、このままだと……私、されるがままに食い殺されちゃう!)
思考が真っ白に凍り付き、目の端から溢れた涙が、絶望の熱を持って頬を伝い落ちた。
その瞬間――。
――カッ!!
闇を、粘つく執着を、そして死の予感を一瞬で焼き払う、鮮烈な蒼白い閃光が爆ぜた。
静寂を切り裂いて奔った浄化の雷光が、私を辱めていたおぞましい「執着」の根幹を焼き、断ち切ったのだ。
「……あ……」
さっきまで生々しい熱を持って私の肌を這いずり回り、肉に食い込んでいたあの「指先」の感触が、一瞬で消失した。
意思を持って私を締め上げていた髪の束は、生命の灯を消されたように力なく弛緩し、ただの無機質な「髪の死骸」へと戻ってパサリと力なく私の脚から滑り落ちていった。
鼻腔を刺していた腐った花のような甘い香りが、一転して鋭いオゾンの匂いに塗り替えられる。
拘束から解き放たれた衝撃で地面に突っ伏した私は、激しく咳き込みながら、縋るように顔を上げた。
「……立て! アルカナ・フレア!」
そこにあったのは、今にも崩れ落ちそうなほどボロボロに傷ついた、けれど何よりも気高く、揺るぎない「騎士の背中」。
血に汚れた隊長服を翻し、蒼白い火花を散らす『ライオット・ソード』を正眼に構えるユリウスさんの力強い大きな背中だった。
その背中からは、先ほどまでの魔人の湿った闇を一切寄せ付けない、圧倒的なまでの「勇気」の輝きが溢れ出していた。
「君だけに背負わせはしない! 俺たちが道を作る、君は翔べ!!」
ユリウスさんは一度も振り返ることなく、目の前の巨大な絶望を見据えて咆哮した。
「総員、ありったけを叩き込めェェェッ!!」
その言葉が、残された全員の魂に火をつけた。
ボロボロの重弩を構えたハンターたちが、全身の痛みを噛み殺しながら、巨大な杭のような鋼鉄の矢を次々と撃ち出す。
ズドンッ! ズドンッ! と腹に響く重低音。
矢の先端の徹甲弾が、魔人の障壁に突き刺さり、その内部で遅延信管を爆発させていく。
オレンジ色の爆炎と金属片が、目に見えない「時間の壁」を力ずくで抉り広げた。
一斉に解き放たれた鉄の雨が、網膜を焼くほどの火花を散らして魔人の周囲へと殺到する。
これほどの物理的圧力を一点に受けた魔人は、その絶対的な余裕を崩し、苛立たしげに顔を歪める。
「……小癪な、鉄屑ごときで……っ!」
爆炎と火花の奔流が、魔人の「時間の檻」に無理やり風穴を開けた。
そのわずかな亀裂を見逃さず、ユリウスさんを先頭に近接班のハンターたちが地を蹴る。
「今だ、畳み込めェッ!!」
ユリウスさんが紫電を纏いながら魔人の至近距離まで肉薄する。
後方に控えていた双剣使いや長槍使いも、爆炎の合間を縫って次々と躍り出た。
「させるかよっ!」 魔人が衝撃波を放とうとした瞬間に、長槍がその腕を狙って突き出され、反対側からは双剣がドレスの裾をズタズタに切り裂く。
彼らにとっては、かすり傷一つが命取りになる神速の攻防。
それでも、彼らは一歩も引かない。
一秒でも長く、一瞬でも深く魔人の注意を引きつけるために、自らの命を盾にして剣を振るい続ける。
「おのれ、汚らわしい……寄るなと言っているのですわ!!」
魔人が逆上し、周囲を薙ぎ払おうと魔力を膨れ上がらせる。
だが、その瞬間、魔人の注意が私から外れた。
「フレア、今だ! 行けぇぇぇッ!!」
ユリウスさんの叫びが、戦場に響き渡る。
目の前には、仲間たちが命を懸けてこじ開けた、空へと続く路があった。
「……みんな、ありがとう!」
私はバーニアを最大出力で噴射し、爆炎と火花の道を一直線に、自由な空へと翔け上がった。
(ユリウスさん……!みんな!!)
胸が熱くなる。
みんなが懸命に稼いでくれた一瞬の時間。
でも、その一瞬が、私に再び空へ舞う時間をくれたのだ。
私は地面を蹴り、再び空へ飛び立つ。
そして、この絶望的な状況を打開するための指示を、パートナーに仰ごうと叫んだ。
「フェニックス!次の手は!?」
しかし、返事はなかった。
いつもなら即座に返ってくるはずの、騒がしくも頼もしいあの声が聞こえない。
嫌な予感がして、私は肩を見る。
いない。
フェニックスが…いない!
「フェニックス!?」
心臓が早鐘を打つ。 視線を巡らせると、さっきユリウスさんが切り落としてくれたはずの髪の束が、まるで意思を持つ生き物のようにうごめきながら、魔人の元へと戻っていくのが見えた。
そして一瞬、その黒い髪の渦の中に、鮮やかな黄色い塊が無力に巻き込まれているのが視界を過る。
「…………あ」
私が手を伸ばすよりも早く、その黄色い塊は魔人の漆黒のドレスにズルズルと飲み込まれ、完全に同化して消えてしまった。
「嘘……そんな……」
目の前が真っ暗になる。
肩の上が、嘘みたいに軽い。
ついさっきまでそこにあった、生意気な感触。偉そうに翼で私の頬を叩く羽毛の柔らかさ。
それらが失われた瞬間、私の意識は加速し、アイツと過ごした短い、けれど濃密すぎる時間が脳裏を濁流のように駆け抜けていった。
さっきまで耳元で響いた、的確で傲慢なあの指示。
パンの配達の時、視線を感じて振り返ると、物陰へ引っ込む、目の端に残る仄かな黄色い気配。
――そして。
命の灯火が消えかけたあの暗闇の中で、結んだあの鮮烈な『魂の契約』。
ゾッとする。
心の芯の部分が、アイツの存在というピースを失って、抉り取られたように疼いている。
この胸を締め上げる狂おしいほどの空虚は、私がアイツを大切に思っているからなのか。
それとも、混じり合った魂が「片割れを戻せ」と、私の本能を塗りつぶして叫んでいるだけなのか。
そんなこと、もうどうでもよかった。
理由なんて、後からついてくればいい。
魂の中心からジワジワと広がっていく喪失感は、次の瞬間、私の心臓を焼き焦がすような、真っ赤な激情へと塗りつぶされる。
「……返して」
喉の奥から、自分でも驚くほど低く、掠れた声が漏れた。
「フェニックスを……返してよぉぉぉっ!!」
エアリアルモードの全スラスターが、物理限界を超えた咆哮を上げる。
精密な回避プログラムは既にエラーで真っ赤に染まっているが、今の私にはそんなもの必要ない。
ドォォォォォン!!
目に見えない魔人の結界に、全身から炎を噴き上げながら正面衝突した。
衝撃で首の骨が折れそうなほどの反動が全身を襲うが、それでも私は止まらない。
「壊れろ……壊れなさいよぉぉぉっ!!」
右拳を握り締め、ありったけの魔力を流し込む。
赤黒く燃え上がった私の拳が、透明な空間を力任せに殴りつけると、パキィィィィィィン!と鋭い音が響いた。
手応えはあった。見えない空間に蜘蛛の巣のような白い亀裂が走り、ユリウスさん達に手こずっていた魔人が驚愕の顔でこちらに顔を向けた。
「……ッ、野蛮な……! 止まりなさい、お人形!」
魔人が忌々しげに腕を振るった瞬間、周囲の空気がいっぺんに粘り気を帯び、世界がスローモーションへと塗り替えられた。
魔人の「時間遅延」の強制執行。
ドロリ、と世界が濁った。
全開だったスラスターの轟音が、水底で聞く鼓動のように鈍く遠ざかり、突き進んでいた私の体は、見えない琥珀に閉じ込められたようにその場に縫い止められる。
叫ぼうとしても、まとわりつく空気は鉛のように重く、喉の奥まで冷たい泥を流し込まれたような閉塞感に視界が火花を散らす。
加速の慣性が逃げ場を失い、内臓をせり上げるような凄まじい圧力が全身を襲った。
(体が……重い……!?)
だがその時、私の胸元、バトルドレスの中央に埋め込まれた宝石が、太陽のような眩い光を放った。
「ピキィィィィッ!!」
胸の中枢ユニットから、心臓を直接炙られるような殺人的な熱が私の体に流れ込んできた。
ドレスから溢れ出した魔力の奔流が回路を逆流し、血管に沸騰した鉛を流し込まれたような、内側から細胞を焼き切る凄まじい熱が体中を駆け巡る。
気が付くと、振り抜こうとする私の右腕には、燃え上がる炎のように光る禍々しい紋様が浮かび上がる。
(……熱い。でも、これなら……!)
「おおぉぉぉぉぉぉっ!!」
私の咆哮とともに、右手から迸る炎で目の前の空間をえぐり取るように振りぬいた。
ドロリと停滞していた時間が、その圧倒的な熱量に触れた瞬間、バキバキと音を立てて結晶化し、次の瞬間には白光を放って爆ぜ散っていく。
凍り付いた湖の表面に巨大な隕石が突き刺さったかのように、見えない「停滞の理」が触れるそばから蒸発し、灰色の世界に鮮烈な炎の色が強引に書き込まれていった。
「なっ、わたくしの魔法が……『時間の檻』が燃えている!?」
驚愕に凍りついた彼女の鼻先を、私の拳が掠めた。
魔人は、まるで這い寄る毒虫を忌み嫌うかのように、その優雅な美貌を醜悪に歪ませて叫ぶ
「……ッ、わたくしに触れるな! このブサイクがぁぁぁ!!」
魔導を編む余裕など、今の彼女には残っていないのだろう。
逆上した魔人の髪が爆発するように膨れ上がり、無数の黒髪が飢えた獣のように躍り出た。
それはもはや髪などではなく、意思を持った無数の「黒い槍」であり、獲物を絞め殺すために最適化された「蛇」の群れだ。
(……っ、何か変だ!これに捕まったら、今度こそ終わりだ!)
視界を真っ黒に塗りつぶすその質量に、本能が全力の警鐘を鳴らす。
掠めるだけでドレスの装甲が火花を散らして削れ、一瞬でも動きを止めれば、今の満身創痍の私なんて文字通り一捻りで肉塊に変えられるだろう。
死の恐怖が背筋を駆け抜ける。けれど、私はスロットルを戻さない。
(ここで止まってたまるか……! 捕まる前に、ぶち抜くんだ!!)
加速の反動で内臓が悲鳴を上げ、目の前が真っ白に明滅する。
死の包囲網が、私の指先にまで食らいつこうと迫った――その時だった。
「――嬢ちゃん! 止まるんじゃねぇ!!」
横合いから放たれた鋭い銀色の剣閃と、地響きを立てる大斧の重撃が、私の目の前を塞いでいた黒い濁流をズタズタに切り裂いた。
「道は、俺たちが作る! 行けぇッ!!」
ユリウスさんとドワーフの戦士たちの咆哮が、震えそうになる私の心を力強く押し上げる。
私はその切り拓かれたわずかな光の道を、炎の尾を引きながら、魔人の喉元へと突き進んだ。
「当たれぇぇぇぇ!!」
掌のプラズマリアクターが、これまでの比ではない絶叫のような高鳴りを上げた。
過負荷でガントレットが赤熱し、私の肌を焼くほどの熱を放つ。
掌に凝縮された赤い炎の塊が、膨れ上がる殺意に呼応するように、どす黒い紅蓮へと変貌していく。
(届く……これなら、いける!!)
その時だった。
「なめるなぁぁぁ!小娘がぁぁぁぁ!!!」
それは、高貴な魔人が初めて見せた、剥き出しの醜い怒号。
優雅に口元を隠していた余裕はどこへやら、彼女は形振り構わず、拒絶の本能のままに両腕を突き出した。
刹那。
視界が、物理的な「壁」のような圧力に塗りつぶされた。
それは不可視の衝撃波なんて生温いものではない。
凝縮された「時」の質量が、巨大な鉄槌となって世界そのものを叩き潰す、理不尽なまでの暴力の塊。
「が、はっ……!?」
逃げる間も、叫ぶ暇もなかった。 全力で突っ込んでいた私の腹部を、その「巨人の一撃」が真正面から打ち抜く。
一瞬前まで喉元に届きかけていたはずの魔人の姿が、瞬く間に遠ざかる。
肺から全ての酸素が絞り出され、景色が超高速で後方へと消え去っていく。
弾丸と化した私は、校舎の壁を越える寸前でようやくその慣性を殺し、激しい火花を散らしながら空中に踏みとどまった。
全身を貫く激痛に喘ぎ、ドレスは無残に軋み、胸元の宝石は光を失いかけている。
(……もう、アレは次は出せない。これ以上やったら、ドレスが壊れちゃう……)
霞む瞳で、ゆらゆらと揺れる魔人の影を必死に睨み返した。
その時、耳元で警告音とともに冷酷なシステムボイスが響き渡る。
[Warning: Thermal Limit Exceeded.](警告:熱限界超過)
[Core Integrity: Critical.](コア整合性:危険水域)
[Secondary Burn: Forbidden.](二度目の焼灼:実行不可)
「……うるさい……っ! 黙っててよ……!」
熱い。
身体も、ドレスも、すべてが内側から焼けて溶けてしまいそうだ。 次にあの檻に捕まれば、私は抗う術もなく塵にされるだろう。
――でも、そんなの知ったことか!
「待ってて、フェニックス……今、助けに行くから……っ!!」
意識の混濁を怒りでねじ伏せ、私は全スラスターを無理やり再起動させた。
残された全魔力をバーニアへと注ぎ込み、身体の悲鳴を無視して再び加速を開始した――その時だった。
『――ザ、ザッ……フレア……聞………るかい?……』
鼓膜を揺らす、ノイズまみれの懐かしい響き。
煤けた絶望の空に、聞き間違えるはずのない、あの生意気な相棒の声が響き渡った。
いつの間にか私の耳には、小さな羽根の形をしたイヤリングが装着されていた。
『急に……ザザッ……すまない! こっちも……ザザッ……ショーの準備で……大忙し……ザザッ!』
フェニックスの、いつもみたいに明るいけれど、どこか必死な声が途切れ途切れに届く。
「え? フェニックス? 今どこ? 私、貴方が魔人に食べられたと思って、すっごく心配したんだからね!!」
私は思わず耳からイヤリングをプチっと外して、手の中のイヤリングに怒鳴りつけるように問いただす。
『大丈……! 食べ……ザザッ……無いよ!』
イヤリングから、激しいノイズと共に早口な声が漏れ聞こえる。
『そんな事……ザザッ……今はとにかく……時間が……!』
『僕が……絶対魔人……切り札を……する!……ザザッ!』
『フレア! 君は……何としても……に……来るんだ……!!』
イヤリング越しに、慌ただしい物音とノイズが交互に聞こえてくる。
フェニックスは何らかの作業をしながら、懸命に話しているみたいだ。
「え?どこ?今どこにいるの?」
私が問いかけると、イヤリングから更に不快な金切り声のようなノイズが走り始めた。
『すまないフレア! 通…機の……調整が……ザザッ……君…声が……遠くに……』
『……クソッ、感度が……これじゃ……』
ノイズの向こうでフェニックスが焦っているのが分かる。 肝心なところが聞き取れない!
「ちょっと! 大事なところなんだからハッキリ喋ってよ!」
『……ドゲザ……ザザッ!……待ってる……』
「え? なに? よく聞こえない!」
意味が分からなくて、私がイヤリングに向かって叫び返そうとした、その時だった。
ドォォン!!
「きゃっ!?」
目に見えない衝撃が、私の手元を襲った。
とっさに展開されたバトルドレスの障壁が火花を散らすが、衝撃を殺しきれない。
手の中で握りしめていたイヤリングが弾き飛ばされ、私の手を離れて虚空へと放り出される。
「ああっ! 待って……!」
キラキラと光を反射しながら、イヤリングは遥か眼下へ豆粒のように小さくなりながら、グラウンドへと、真っ逆さまに吸い込まれていった。
私は反射的に手を伸ばし、バーニアを噴射して追いかけようとした。
だけど、その行く手を、絶望的な影が遮った。
音もなく、まるで重力など存在しないかのように。 私が飛び込もうとした軌道上の空中に、あの魔人が優雅に佇んでいた。
「あらあら……」
魔人は、堕ちていくイヤリングを一瞥して嬉しそうに私に視線を戻した。
その指先からは、まだゆらゆらと衝撃波の余韻である陽炎が立ち上っている。
さっきまでユリウスさん達と戦っていたはずなのに、いつの間にこの高度まで……!?
え?!ユリウスさん達は!?
「その手を丸ごと吹き飛ばして差し上げようと思いましたのに……小賢しい結界に阻まれてしまいましたわ。……本当に、残念ですこと」
魔人はしなやかな指で口元を隠すようにクスリと笑うと、氷のような冷たい瞳で私を見下ろした。
ユリウスさんを助けた時吹き飛ばした腕の事を根に持っていたのだろう、今度は彼女が私の腕を狙ったのだ。
フェニックスはいない。通信機もない。
魔人が、三日月のように目を細めて笑った。
「さあ、邪魔者は消えましたわ。続きを始めましょうか? お人形さん」
Liner Notes
■Track 29
【分類】
[1:アイテム紹介] > [12:支援装置]
【日本語名称 / English Name】
超小型通信機『ぴよぴよイヤリング』 / Piyo-Piyo Earring
(ガジェットNo.3)
【概要 / Overview】
七つの「ぴよぴよガジェット」の第3番に数えられる、羽の形をした超小型通信機。
契約者である魔法少女とフェニックスとの常時リアルタイム通信を可能にする、戦術支援の要となるデバイスである。
【特性・スペック / Properties & Data】
・セキュア通信モード
通常時の有効通信範囲は十数キロメートル。
ノイズキャンセル機能により、爆音や暴風の中でもフェニックスの助言をクリアに聞き取ることができる。
・多言語・魔術言語翻訳機能
人間以外の生物や、失われた魔術言語をリアルタイムで翻訳する。
ただし、翻訳精度は「過信は禁物」レベルであり、しばしば意訳や誤訳が混じるため注意が必要。
・ライフサポート機能
アラーム機能などの日常的に役立つガジェットアプリもいくつか搭載されている。
【特記事項 / Secret Note】
・魔王の通信革命:成層圏基地局構想
フェニックスは本デバイスの最終運用形態として、成層圏に「飛行船型ドローン基地局」を配備し、リーナの活動拠点であるハステロイ領全域を完全カバーする超広域通信網の構築を目論んでいる。
・立ちはだかる現実的な壁
この壮大な計画には二つの大きな障害がある。一つは、動力源となる『第零元素』が現状では逆立ちしても足りないこと。もう一つは、この世界の成層圏すら活動範囲にする「やんちゃな飛行生物」たちが、新参のドローンを格好の玩具として撃墜しにくることである。
・リーナの「圏外」問題
この計画が未完であるため、現状のリーナは「基地局としてのフェニックス(ひよこ)」の体調によって、途端にアンテナが一本減るというガラケー時代のような受難を強いられている。
tags: #騎士の背中 #黄色い塊の謎 #魂の片割れ #ぴよぴよイヤリング #成層圏基地局構想




