原作世界 悪役令嬢の最後 ーーことね視点
廃墟ーー数分前まで学校だった場所で、私は立ち尽くしていた。
ーーそうか思い出した。 私が全部やったんだね。
そう、私がこの学校を廃墟にした。
エターナルパーフェクトのなり損ないの私が、全部この手で。
あの儀式はどうやら完全じゃなかったんだよね。 そうか。 私だけだったから。
アイツーー中継係の悪霊は私を転送した後、完全に私と同化した。 もはや、アイツの意志はここには残ってない。
あるのは、私の虚しさだけ。 虚しくて、悔しくて、仕方がない、どうにもしようがない心だけ。 体は、邪神もどきになってしまった私。
ただ、私は廃墟に立ちすくむだけだった。 その時、あの二人がやって来た。
「よくも学校を廃墟にしてくれましたね!」
「ことねを返せ!」
ーー駄目だ言葉がでない。 もう、どうすることもできない。
桐原彩乃が、札を取り出す。 湊が、小刀を構える。
「俺が突っ込むから、彩乃は援護して!」
「わかった!」
私の前に湊が突っ込んで来る。
ーーああ、湊。 私はただ、貴方に一人の人間として見てもらいたかっただけだったのに。 私は、最初から変になってたんだね。
学校も全壊させちゃったし、誰もみんな許してくれないよね?
桐原彩乃が投げた札が私の体を焼く。 その場所に湊が小刀を入れる。
『ブグ、グブ』
情け無い呻き声をあげることしかできない私。 もう、抵抗する気さえ起きなかった。 ふと、体を見れば、霊気によって、体が光って消えかけていた。
ーーそして、体が消えた時、私の魂だけが残った。
その魂は、どうやら湊にも見えたようでーー
「ことね! まさか、邪神の正体はことねだったのか⋯⋯」
「湊! 自分を責めては駄目! ⋯⋯私たちのしたことは正しかったの!」
『迷惑かけてごめんなさい。 さようなら』
私は最後に言いたかった言葉を言えて満足した気持ちだった。
例え、その言葉が伝わっていなくてもーー
◇◇◇ ひとみ視点
アタイは、朧気になりながらも、その景色を見ていた。 変な見た目をした生物がやられる瞬間を。
ーーそして、その生物が神子様になって、それで消えて行く所を。
「……神子様? 神子様!」
アタイは駆け寄ろうとした。 しかし、アタイの部下たちがそれを止める。
「オイ! 放せよ! アタイは行くんだ!」
やがて、神子様が見えなくなって、被害者面した二人がこちらへ戻ってきた。
ーーなんだよ? お前らは加害者だろ? 許せねぇ。
『……そうだ。 吉澤ひとみ。 お前の絶望……誠に甘美だ。 さすが見込んだだけある……どうだ? 俺の計画に乗らないか? 奴らに復讐したいだろ?』
「……! なんだ? ……あったり前だろ! 許せる訳がねぇ……」
ーーこうしてアタイは、堕ちていった。




