みんなで海水浴をしよう!
旅行が始まる前に一悶着ありましたが、始まればお互いに仲良しでした。
今回の旅行は海水浴が主な目的なようです。 目的地に着いたみんなは、水着へ着替えました。
「はい、お姉ちゃん! 用意したよ水着!」
「これ着るの恥ずかしいんだけど⋯⋯」
「彩乃ちゃん、恥ずかしくないよ、むしろかわいいよ!」
どうやら、彩乃の水着は、舞香ちゃんが用意したようでした。 彼女のピンクの髪に似合っていてとても良かったと、瑞稀は思いました。
「瑞稀。 私の方を見てどうしたの」
「え? 可愛いと思って⋯⋯」
「⋯⋯そう」
そういうと、彩乃は瑞稀に近づき、頭を下げました。
突然の行為に、瑞稀は驚きました。
「⋯⋯どうしたのかな? 桐原さん?」
「頭を撫でてくれないの? ⋯⋯この前、撫でてくれたのに⋯⋯」
どうやら彩乃は、以前撫でた時のことを覚えているようでした。
(あの時の私、勇気があったな。 生徒会長になれば、みんなが私に構ってくれるって思っていたから、調子にのってたんだよね)
瑞稀は、彩乃の頭を撫でました。 彼女は嬉しそうな表情を、瑞稀に見せた後、ことねたちの方へ向かって歩いて行きました。
瑞稀は顔が真っ赤になってしまいました。 彼女は、近くにあるビーチチェアで横になりました。
「⋯⋯ふぅ、やっぱりのんびりした景色、映えるね⋯⋯」
独り言を呟き、瑞稀はのんびりと彼女たちを見守っていました。
ことねは「あれ? みんな別行動? まあ、それもアリだよね!」と言い出して、舞香と一緒にはしゃいでいました。
彩乃も、呆れた表情をしていますが、楽しそうでした。
そして美羽は、海の家でランチタイムのようです。
「屋台に色んな食べ物が売ってますわ! ⋯⋯すみません全部ください!」
「全部? なにを言って⋯⋯お前は櫻井美羽!」
「ボンヌさんにジンさんにザク郎さんですわ!」
「お嬢さんは海水浴⋯⋯ならぬ、海水場メニュー喰らいかい?」
「今回は俺たちは負けないぜ!」
「そうだぜ! いきがいい新鮮な材料があるからな!」
「勝負ですわ!」
美羽は、偶然出会った知り合いと、仲良く会話をしていました。
「……はあ」
その様子を見た瑞稀は、彼女に声をかけずに戻りました。 彼女は、美羽がいないことに気づいて、探していたのです。 しかし、美羽が他の人と仲良く会話しているのを目撃して、逃げたのです。
一方、舞香やことねもお腹が減ったようですね。
「ことねお姉ちゃん! お腹空いてきちゃった!」
「そうだね! 海の家でご飯食べようか!」
その後、二人は海の家へ到着しました。 ですが、そこで待っていたのはーー
「いらっしゃいですわ!」
「あれ? ミウミウ! なにしているの?」
「店員が食材集めに行ったので店番ですわ!」
美羽が知り合いの代わりに、店番をしていました。 その手には、当然のように、作られた焼きそばやたこ焼きなどがありました。
その頃、瑞稀はビーチチェアで寝ていました。 寝不足だったようですね。
「あれ? 起きたの? ⋯⋯ずいぶんうなされていたけど」
「えっと、桐原さん。 うなされていた⋯⋯」
彩乃は、瑞稀が寝ている間。 ずっと瑞稀を見ていたようです。
(私はまったく覚えてない……)
「あなた、ずっと謝っていたわよ。 ことねにね⋯⋯ 」
「なにそれ……」
しかし、瑞稀には覚えがありません。
「おーい。 ご飯持ってきたよ! 食べよう!」
「食べるのですわ!」
「む。 ミウミウはもう食べないでよ!」
「そんな! ですわ!」
瑞稀は苦笑いで彼女たちの様子を見守っていました。
次に、みんなで写真撮影を始めます。 どうやら、彩乃が写真を撮るようですねーー
「なんで私が写真を撮るのよ!」
「お姉ちゃんにぎゅ!」
「もう一人私がぎゅ!」
「ちょっと、ことね! 痛い! 締め付けすぎよ!」
美羽は、瑞稀に向けてポーズをとりながら、もの憂げに呟きました。
「ふぅ、次はなにを食べようかしら⋯⋯」
「ミウミウ、お前の体はブラックホールなのか! 羨ましい!」
「キャ! 瑞稀、くすぐったいですわ〜」
その後。 瑞稀は、ビーチチェアにまた座りました。 食事の後で動く気持ちには、なれなかったからでした。
そんな瑞稀の横にことねが座りました。
「瑞稀ちゃん! 楽しいね!」
「そうだね」
「⋯⋯あら、貴方はあんまり楽しくなさそうね?」
「そんなことないですよ⋯⋯ その、姫様はいかがですか?」
「私? ぼちぼちね⋯⋯ 『私』が楽しいならそれでいいんじゃない?」
姫様は、不敵な笑みを瑞稀に浮かべました。
「おや? 『私』が拗ねているわよ。 『瑞稀ちゃんが楽しくないと! 私も楽しくないもん!』だって」
「つまり、こう言いたい訳だね。 ことねが笑顔で楽しまないと、姫様も楽しくないと……」
「貴方が、なにを悩んでいるか知らないけど、せっかくの海なんだから⋯⋯もっとはっちゃけましょ……」
そういうと、姫様は瑞稀を持ち上げました。 するとことねは、瑞稀を不思議そうに見ました。
「あれ? 瑞稀ちゃん! 思ったよりも軽いよ! ちゃんと食べてる?」
「ことね! 下ろして! 恥ずかしいって!」
「ふふふ。 彩乃よりも、弱い抵抗ね貴方。 口は強いけど⋯⋯」
「なっ……」
ことねと姫様が声をかけながら、海岸まで運ばれました。
「みずちゃん! やっと泳ぎにきた!」
「ぷぷ。 ことねに抱いてもらうなんて! 私と同じじゃない⋯⋯」
「瑞稀! こっちなのだわ! 美味しい食べ物がありますわよ!」
「ミウミウ……泳ぎながら食べるのは、さすがに……」
「……もう。 わかったよ!」
瑞稀は、ことねから飛び降りて、全員に海水をかけました。 それに反撃するように、みんなも瑞稀に海水をかけます。
そんなこんなで、仲良く夕方まで遊んでいました。
ーー青春とは、素晴らしいものですね!




