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原作では破滅の悪役令嬢〜でも色々違います?(再編集版)  作者: Masa(文章力あげたい)


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36/38

悪役令嬢とペアルックのヒロイン

 結局。 健太の指示により、深夜の柳田家に彩乃は訪問することになった。


 「また日を改めて」と彼に言ったが、これからじゃないと駄目だと言われ、おとなしく従うことにーー


 その間、彩乃は健太に抱っこされたまま、屋敷まで運ばれることになりました。


 彩乃の目の前には、健太の顔があります。 彼女は、なぜか目を背けずに、ずっと見つめていました。 


 屋敷に到着した健太は、チャイムを鳴らしました。


 原作では、抜け道を使って入ってたのに、普通に入れることに、彩乃は安心感を覚えました。


 「はーい⋯⋯健太! 遅かったのね? ……あらあら。 これから、お楽しみかしら? いい健太、初めては、優しくするのよ?」

 「お母さん! 違うから! 親父に話があるんだ!」

 「まあ! もう、そんな関係なの? ……姑として、頑張らないとね!」

 「お母さん。 えぇ! 嘘でしょ!」

 

 原作では、存在しないはずの母親の登場に驚く彩乃。 モゾモゾ動く彩乃を抱いて、健太が向かった先は、応接間でした。 


 襖を開けると中にいたのはーー


 「遅かったね! 彩乃ちゃん、こんばんは! あれ? 彩乃ちゃんが着てる服、私のだよね? ほら! 私も丁度同じ服なんだよ? お揃いだね! 私たち、ペアルックだね! 仲良しアピールできるよ? 嬉しいな〜」

 「ことね! なんで貴方がここに! ……え? お揃い? こんな厳かな屋敷の中で? 嘘でしょう?」


 奇しくも、原作と同じ台詞を彩乃が言いました。 その後で、彩乃はことねの発言を考えます。 


 健太の言っていた、幼馴染はことねでした。 つまり、彩乃が着ている服は、ことねの物でした。


 「最悪だわ! 悪役令嬢とヒロインの服装が被るなんて! しかも、TPOも弁えてない格好で……」

 「大丈夫だよ? だって、私はここに来る時、いつもこの格好だもん!」

 「ここは、地主の屋敷よ! 制服が普通でしょう?」

 「そんなことを気にするなんて、瑞稀ちゃんみたいだね!」


 彩乃は手を顔に当てて、恥ずかしがっています。 そんな彩乃に、ことねは表情を変えました。 


 彼女の目には、苦笑いの健太にお姫様抱っこされている、彩乃姿がありました。


 「……まずは抱っこされるのを止めたら?」

 「……それはそうね。 下ろして……」

 「……いいわね、抱っこ。 ……今度、湊にお願いしようかしら?」


 突然冷静な口調になったことねに、彩乃は頷き、静々と健太から降りるのでした。


 そんな彩乃に、ことねの側にいたもう一人の少女が話しかけます。

 

 「えっと。 お姉ちゃんも遊ぶ? みんなでカードゲームしてたの!」

 「え! 舞香? なんで、こんなところに?」

 

 何故かこの場所にいる舞香に、彩乃は気まずい気持ちを隠して、問いかけます。


 さっきまでの彩乃は、いつも舞香といる時の『お姉さん』の自分と違ったのです。


 そんな気持ちの彩乃を気にせず、舞香は平然としていました。


 「みずちゃんの家で遊んでいたら、ことねお姉ちゃんが迎えに来て、一緒にここで来るのを待ってたの!」

 「そうだったの……」


 彩乃は疑問に思いました。 なぜ、舞香をわざわざここへ呼んだのかーー


 まさか『あの悪霊』が関わっているんじゃ? 彩乃は恐怖で震えます。 


 あの悪霊は彩乃、そして舞香にとっての仇でした。


 私たちを守るために、悪霊の力によって二人の両親はーー


 「考え過ぎよね……」

 「彩乃ちゃん、どうしたの?」

 「なんでもないわ。 それよりも、私は秀五郎さんに用があるのよ!」


 彩乃が思い出した様に、叫びます。 すると、応接間に秀五郎が入ってきました。


 「ふむ。 ようやくきたか、桐原彩乃……」

 「……!」


 秀五郎の登場に、彩乃は構えています。


 「お姉ちゃん! 秀五郎さんに失礼だよ! ……秀五郎さん、ごめんなさい」

 「よいよい。 ……さて、桐原彩乃よ。 なぜ、あの祠に近づいた?」


 秀五郎は、彩乃を見つめます。 その視線は、彼女の挙動を逃さない様にするためです。


 「……参拝です」

 「……ほう。 随分と、殊勝なことだな?」

 「……ええ。 ここに来て、少しは経ちましたから……」


 彩乃は、そう言うと顔を背けるのでした。

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