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原作では破滅の悪役令嬢〜でも色々違います?(再編集版)  作者: Masa(文章力あげたい)


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14/20

原作世界での倉石瑞稀の顛末

 朝、小鳥が鳴く声で、瑞稀は、目を覚ましました。 学校の入学式があるのにも関わらず、深夜までゲームをしていたので、まだ眠たいようです。 そこへ、彼女の母の声が聴こえてきました。


 「瑞稀! ご飯出来たわよ! 早く起きなさい!」

 「⋯⋯もう。 わかったよ、お母さん」

 

 仕方なく、リビングへ向かう瑞稀。 そこで待っていたのは、彼女の両親です。


 「瑞稀。 今日、入学式だね。 仕事で行けないけど、応援してるぞ」

 「ありがとう、お父さん」

 「もう、瑞稀! また、夜遅くまでゲームしてたでしょ!」

 「ギク! えっと⋯⋯そんなことないよ~」

 「⋯⋯まあまあ、母さん。 ちゃんと起きてるし、問題ないだろ」

 「ねえちゃん、ズルい。 僕も徹夜でやりたい!」

 「⋯⋯瑞稀? ⋯⋯仕方ないわね⋯⋯」

 

 お父さんはお母さんを宥めるーーいつもの朝の光景です。 そんな日がこれからも続くと思っている瑞稀。 ーーまだこの時は。


 「新入生代表、川端ことね」

 「はい」

 

 美しい人。 瑞稀が川端ことねを見た時に思った第一印象でした。 しかしその後、印象は変わることになります。 長々と語る彼女の視線には、私達が見えていないようでした。 ーーなるほど。 これが眼中にナシと言う言葉の意味か、と瑞稀は思ったようです。


 「はい、ただの寝不足ね! ⋯⋯入学式の前で緊張した?」

 「えっと⋯⋯まあ、そんなところです」

 「⋯⋯ふ〜ん。 どうやら違うみたいね⋯⋯」

 

 入学式の後、瑞稀は気絶して保健室に運ばれていました。 保健室の管理人の今川幸子先生に診察してもらうことになりましたが、倒れた理由が「深夜までゲームしてました!」なんて、言える訳がありません。 今川先生と会話をしていく中で、入学式の川端ことねの話題になりました。


 「⋯⋯貴方はどう思った? 彼女のこと」

 「⋯⋯正直、怖いと思いました。 彼女は自分の野望を話してましたが、まったく私達の方を見ていませんでした」

 「そうよね⋯⋯ありがとう、参考になったわ」

 

 そう言うと、幸子先生は瑞稀の頭を優しく撫でてくれたのを、瑞稀は今でも思い出します。 


 学校生活が始まったすぐのこと、瑞稀のクラスメイト彩乃が怪我をしました。 幸い近くに、保健室があったので駆け込みます。


 ーーきっとあの優しいお姉さんなら助けてくれる! 


 「今川先生! クラスメイトが頭に怪我を⋯⋯」

 「⋯⋯どこにいる? 案内しろ」

 

 中に入るといたのは、知らない男性でした。 


 「⋯⋯どうした?」

 「えっと⋯⋯こちらです」


 その目は、ことねと同じでした。 後から聞いた話によると、幸子先生は突然居なくなったらしいと。 


 ーーちなみに彼の名前は、今川太一さんですね。


 彼の応急処置もあり、幸いクラスメイトの彩乃は助かりました。


 ですが、瑞稀は彼女に会うことはありませんでした。 


 「瑞稀⋯⋯残念だな、体育大会がなくなって」

 「うん⋯⋯そうだね」

 「どうしたの? 元気ない?」

 「え! 元気だよ。 うん⋯⋯」


 そんな中、弟が瑞稀を励まします。


 「お姉ちゃん、ファイト!」

 「そうだね⋯⋯」

 「⋯⋯瑞稀」


 両親と夕食を食べながら、瑞稀は考えていました。 ここ最近の学校の雰囲気をーー 


 たしかに、一年生だから、入って間もないのは事実です。  高等学校の雰囲気なんて彼女が知る訳がないのです。


 しかし、それでも理解しています。 川端ことねが、裏で学校を掌握し始めていることを。 このままではみんなが、彼女の駒にされてしまう。 瑞稀はことねと戦う決意をするのでした。


 そんなある日、校長室へ呼び出しがありました。 瑞稀が向かうと、待っていたのは、校長先生ではなくーー


 「こんにちは、倉石瑞稀さん」

 「⋯⋯川端ことね!」

 「あらあら、怖いわ。 クラスメイトに向けてる態度じゃなくて?」

 「なんの用ですか? ⋯⋯すみませんが私、これから用事がありますので、本題をお願いします」

 「なにを急いでいるの? ああ、貴方がしている、無駄な行為のことね」

 「⋯⋯失礼します」

 「貴方のお父さん、個人事業主でしたわね?」

 「⋯⋯それがなにか」

 「私はね、心配しているの⋯⋯お父さんの信用が崩れれば、貴方達家族は路頭に迷うことになるわね」

 「貴方、まさか⋯⋯」

 「両親思いの貴方なら、わかるでしょ?」

 「うぅ⋯⋯」

 

 倉石瑞稀は逃げるように校長室を、そして学校を去りました。 


 そんな瑞稀は今ーー


 「⋯⋯瑞稀、ここにご飯、置いてるから⋯⋯食べてね」

 

 あの日から、どれくらいの時間が経ったかわかりませんが、瑞稀は家に引き篭もっていました。 


 ーーもういい、学校は貴方が好きにすれば! だから家族には手を出さないで!


 瑞稀は、最後に見た、ことねの目を思い出していました。 彼女の冷え切ったその瞳をーー


 そんな彼女に弟が話しかけます。


 「お姉ちゃん⋯⋯ 僕と一緒に、ゆっくりしよ?」

 「そうだね⋯⋯ずっと一緒だよ⋯⋯」


 瑞稀は一人虚空を、見つめているのでした。


 「⋯⋯お嬢様、倉石瑞稀は、引き篭もりになったようです⋯⋯」

 「あらあら、残念。 せっかく面白いと思ったら、あっと言う間に終わったわね」


 夜の部屋で、いつものように鏡を見ながら応える、ことね。 以前より部屋が暗く感じるのは、気のせいなのか、それともーー

 

 「⋯⋯さて、邪魔者も居なくなったことだし、生徒会長の就任の挨拶でも考えましょか『私達』の理想のためにね⋯⋯」


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