瑞稀の苦悩
午前の授業が終わり昼休みが始まりました。 クラスメイトたちが騒ぐ中、瑞稀はとても喜んでいました。
ーー体育大会の優勝! これは私の高校生活で100のやりたいことリストその11に該当することだからね!
喜んでいる瑞稀。 しかし、前から気になっていることがあるようです。
「悪い! 用事を思い出した!」
「お手洗いに行きますね⋯⋯」
ことねに言うと、颯爽と教室を後にする二人。
明らかに怪しいぞ! そう思った瑞稀は後を追いました。
そして見かけました。 空きの教室の中に入る二人の姿をーー
瑞稀は、二人が隠れてコソコソ密会をしている理由を知り、納得しました。
その帰り道で、彩乃にも遭遇する瑞稀。 彼女は一人、誰もいない所でぶつぶつと呟いていました。
瑞稀は彩乃が怖くて逃げました。 それと同時にあることに気づきました。
ーー今ことね姫様は一人だけ。 つまり話しかけるチャンスなのでは?
もともとことねに興味があった瑞稀は、さっそく教室にいることねに、声をかけようとしました。
でも、ことね様の表情を見てやめました。 その理由は瑞稀曰く、だって姫様の表情が凄く絵になっていて! まさに『孤独な姫様』みたいで美しかったからーー
それにしても、二人ともバレてるよ! 『密会』しているという事実だけが!
美羽と湊のことを心配する瑞稀。 彼女は今、別の問題で悩んでいたのです。
ーーこれじゃ私、ボッチ確定じゃん!
そう瑞稀は、ボッチだったのです。
放課後の職員室。 瑞稀は担任の先生と話し合っていました。
「部活の承認はできません」
「え~? どうしてですか! 名前が悪いのでしょうか? しっかり記入してます。 完璧なはずです!」
「人数が最低でも、五人ないと部活として認められん」
「そんな~⋯⋯私の、のんびり推し活部が!」
職員室で瑞稀は体育座りを始めました。 せっかく顧問の先生も決まっているのにできないなんて、可哀想な瑞稀。
「そんなに部活をしたいなら、部員を探しに行きなさい」
「えー、こんな部活、入ってくれる人いないですよ!」
「そう思うなら、諦めて他の部活に入れ! ⋯⋯ちなみに、帰宅部は認めないからな」
「あう⋯⋯」
瑞稀はうなだれます。 今から、無所属の生徒を探さないといけません。
「絶望だよ! 部活なんて、上下関係とかがあってサボれないじゃん! というか、そもそもなぜ部活に入ることが絶対なの? 間違っている!」
瑞稀は結局、トボトボと家に帰るのでした。




