chapter36 迷宮攻略pt.2~子竜の奮闘~
Side:ヴァリアス
子竜たちはまだ小さく、吐く炎も頼りない。
だが、私の動きを必死に真似し、息を合わせて空を舞う。
「きゅい!!」
子竜の一匹――オニキスが鳴き、小さな火球を放つ。
火球はコボルトの胸に直撃し、弾かれるように倒れた。小さな勝利に、子竜たちの瞳が輝く。
空中で旋回しながら、私は声をかける。
「もっと角度をつけて! 背中を狙え!」
子竜たちは指示通り炎を吐く。小さく揺れる火球は、まだ完全には命中しないが――確実に戦果を積み重ねていく。
それでも数は多く、油断すればすぐに囲まれる。焦る気持ちを必死に押さえつけ、彼らは翼を震わせ、炎を一点に集中させる。
私が盾となり、ブレスや翼で敵を吹き飛ばしながら前進する。
「落ち着け、焦るな。炎を一点に集中!」
私の声が空中に響く。子竜たちは少しずつタイミングを覚え、火球の軌道を修正する。
小さな炎がコボルトの体をかすめ、火花と煙が立ち上る。
倒れる敵の数が増えるたび、迷宮内の空気に緊張が走る。
子竜たちの背中に力強さが戻り、恐怖よりも戦う楽しさが勝り始めた。
その様子を見つめながら、私は微かに笑う。
「よし、この調子だ。この迷宮を抜けたら、もっと大きな獲物に挑めるぞ」
炎と煙が漂う迷宮の中、私と子竜たちはひとつのチームとして、確かな成長を刻みつつあった。
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