Quiet talk 隠れ潜む視線
※番外編です
Side:迷宮の管理者
突如、ワタシが管理する迷宮が微かにざわめいた。
肌の上を虫が這い回る感覚――侵入者の接近を知らせる警告だ。
すぐさまモニターを出し、姿を確認する。
「ドラゴン……だと!?」
目の前には幼体と思われる竜と、漆黒の鱗を持つ子竜三匹。
ダンジョンコアの意思に従い、ワタシは排除を試みる。
だが――ゴブリンたちでは歯が立たず、ブレスで何度も焼き払われてしまう。
そして、彼らは衝撃的な行動を取った。
まるでこの迷宮を眼中にないかのように、フロアで寝始めたのだ。
「くっ……小癪な!!」
手駒のモンスターたちはすでに全滅。
あいつらが次のエリアに進まなければ、ワタシには何もできない。
歯を食いしばり、次のエリアに仕掛けを施す。
ワタシの意思が迷宮に広がる。コボルトたちは指示を理解していないが、それでも戦線を形成する。
――だが、あの生き物たちはただの獲物ではない。
幼体のドラゴン――この地では見たことのない存在だ。
その体から発せられる魔力は、過去に管理した小型モンスターとは桁違い。
まだ若いとはいえ、潜在的な危険性は無視できない。
子竜三匹もついている。未熟でブレスも頼りないが、まとまれば無視できぬ威圧感を放つ。
迷宮の一角で彼らの動きを観察する。
炎の吐き方、飛行の軌跡、動作の癖――すべて学習の痕跡だ。
面白い。経験不足でも、学習する意思が確かにある。
地面の配置を微かに変え、コボルトたちを誘導する。
炎が当たらぬよう動く敵――その反応を見て、迷宮の魔力を調整する。
この戦いは彼らにとって試練。
だが同時に、迷宮にとっても興味深い観察材料なのだ――。
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