第86話 開会式 2
第四章
第86話 開会式 2
歓声が少しずつ落ち着く。
中央闘技場。
壇上へ司会役の男性が上がった。
魔導拡声具を手に持つ。
「それでは!」
「団体戦出場チームの紹介を行います!」
観客席から歓声。
拍手。
口笛。
武闘大会の華。
団体戦。
その出場者達だった。
「まずは!」
司会が声を張る。
「白虎中都市代表!」
歓声。
大歓声。
会場が揺れる。
入場口から。
一団が姿を現した。
先頭。
お豆ちゃん。
その隣。
カエデ。
さらに。
マツコ、タケコ、ウメコ率いる、白虎親衛隊アマゾネス軍団。
統率された足取り。
全員女子。
一応。
歓声はさらに大きくなる。
山賊達の歓声も聞こえる。
「白虎領主お豆ちゃん率いる!」
「白虎中都市チーム!!」
大歓声。
人気だった。
圧倒的に。
「さすがに一番人気ですねぇ」
ひーちゃが微笑む。
「まぁそうだろ」
たくろーも頷いた。
誰が見ても優勝候補だった。
「続いて!」
司会が声を張る。
「虎牙市代表!!」
歓声。
今度は少し違う歓声。
若い。
勢いがある。
そして。
見覚えのある男が現れた。
「ドラちゃーん!!」
「ドラちゃーん!!」
ドラちゃんだった。
若い女子の歓声が多い。
ホストみたいな笑顔で手を振っている。
無駄に格好つけながら。
「虎牙市領主!」
「ドラちゃん率いる虎牙チーム!!」
歓声。
歓声。
歓声。
人気だった。
かなり。
「アレがいいの?」
れんか。
「アレって言わないであげて」
のんちゃんが笑いを堪える。
「続いて!」
「虎爪市代表!!」
入場。
歓声。
「虎尾市代表!!」
入場。
歓声。
「虎眼市代表!!」
入場。
歓声。
白虎領。
中央を支える四つの小都市。
それぞれの代表達だった。
そして。
司会が続ける。
「さらに!」
「招待チーム!!」
歓声。
他領から来た実力者達。
「傭兵混成チーム!!」
ちょとがらの悪い連中だが、笑顔で手を振っている。
「冒険者ギルドチーム!!」
いかにも戦いに身を置くものっぽい佇まいの8人も観客席に手を振る。
観客席も盛り上がっていた。
そして。
最後だった。
司会が一枚の紙を見る。
少し間が空く。
「最後に!」
「領主特別招待チーム!!」
観客席がざわつく。
噂のチーム。
昨日から話題になっていた。
「ルノア村チーム!!」
歓声。
そして。
ざわつき。
入場口から。
ルノア組が歩き出す。
先頭。
たにし。
続いて。
たくろー。
のんちゃん。
あっくん。
れんか。
ひーちゃ。
そして。
あいり。
こはる。
ざわつく。
明らかに。
「子供いるぞ」
「え?きぐるみ?」
「観光じゃないのか?」
当然だった。
その時。
司会が読み上げる。
「不落村長!」
ざわつき。
「たにし!!」
おぉ。
観客席がどよめく。
知っている者も居た。
前々期の領主だし当然といえば当然。
「ゲーム時代の二つ名呼ばれんの恥ずかしいんだが」
「まったくだ」
たにしのぼやきに、たくろーが同意する。
「不死身コレクター!」
さらにざわつく。
「たくろー!!」
「あ」
誰かが呟く。
「ライド収集ランキング1位の!」
「あと不死の称号ってことは死亡回数0か!」
ざわ…
「笑う戦姫!」
歓声。
「のんちゃん!!」
空気が変わる。
観客席の一部が沸く。
知名度があった。
かなり。
「やっぱり、あののんちゃんか…」
「前期のアリーナで、お豆ちゃんとの1位争い熾烈だったよなぁ!」
武闘大会マニアのらしい二人が盛り上がる。
若頭達も立ち上がる。
「のんの姐さぁぁぁぁぁん!!」
うるさい。
ざわ…ざわ…
「鉄槌フルコース!」
「あっくん!!」
市場の人からの歓声。
どんだけ馴染んでんだよ。
「あっ!どっかで見たと思ったら料理大会優勝者か!」
「へー!強いの!?」
「…それは知らん」
ざわ…ざわ…
「紫白の魔女!」
「ひーちゃ!!」
歓声。
「ひーちゃって、新薬作りまくった!?」
「ああ!俺も回復薬めっちゃお世話になってるわ!」
「強いの!?」
「…それは知らん」
ざわ…ざわ…ざわ…
「氷炎の黒猫!」
さらに歓声。
「れんか!!」
白虎魔法学校関係者達が沸いた。
ざわつきが広がる。
「校長…あの子は!?」
「ああ…あのれんかじゃな…」
「首席の不登校れんか…」
ざわ…ざわ…ざわ…。
そして最後。
「勇者見習い!」
「あいり!!」
シャキーンと剣を掲げる。
「ドラゴン通訳士!」
「こはる!!」
がおー!と言ってる。
静かになる、観客席。
少しだけ。
静かになる。
「なんだそれ?」
誰かが呟いた。
正しい反応だった。
その瞬間。
「いけぇぇぇぇぇ!!」
若頭。
「ルノアぁぁぁぁ!!」
アフロ。
「全国制覇だぁぁぁ!!」
ドレッド。
「チビ達も頑張れぇぇぇ!!」
スキンヘッド。
うるさい。
観客席が少し笑った。
ルノア組も苦笑する。
「目立ってるねぇ」
ひーちゃ。
「目立っちまったなぁ。オッズさがるなよ…」
たにしも頷いた。
良くも悪くも。
ルノアチームは。
完全に観客の記憶へ刻まれていた。
そして。
全8チームが出揃う。
いよいよ。
団体戦が始まろうとしていた。




