第84話 武闘大会開の朝
第四章
第84話 武闘大会開の朝
朝。
白虎城。
コンコン。
扉が叩かれる音で。
たにしは目を覚ました。
「んぁ……」
眠い。
昨日も昨日で飲みすぎた。
ほどほどにしようと思っていた。
思っていただけだった。
「起きてるー?」
のんちゃんの声。
「起きてる」
「ほんとにー?」
「起きてる」
「怪しいねぇ」
怪しかった。
「起きるかぁ」
たにしは、寝室から出てリビングへ。
「おはよー!」
「おはよー!」
幼女二人が元気よく手を振る。
眩しい。
朝日より眩しい。
「元気だな」
「今日は武闘大会だもん!」
あいりが言った。
「おまつり!」
こはるも続く。
完全に遠足気分だった。
その後ろ。
ひーちゃが苦笑する。
「朝からずっとこんな感じだよぉ」
そう言いながら、たにしにキュアを飛ばす。
毎朝の日課である。
「そりゃ元気だな」
羨ましい。
若い。
いや若すぎる。
その時。
また扉が叩かれる。
コンコン。
「皆様」
カエデだった。
「おはようございます」
「おはよー」
のんちゃんが手を振る。
「本日は武闘大会となります」
カエデが頭を下げる。
「朝食の準備が整っておりますので」
「おぉ」
あっくんの目が輝いた。
◇
「本日は開会式の後」
カエデが朝食へ皆を案内しながら続ける。
「個人戦予選」
「そして団体戦一回戦が行われます」
武闘大会。
白虎最大の祭り。
そして。
白虎最大の競技会だった。
「団体戦は8チーム出るみたいですねぇ」
ひーちゃが聞く。
「はい」
カエデが頷く。
「白虎中都市代表。これには僭越ながら私も参加させていただきます」
「続いて」
「虎牙市代表」
「虎爪市代表」
「虎尾市代表」
「虎眼市代表」
聞き慣れない名前が並ぶ。
「白虎領は」
カエデが説明する。
「白虎中都市を中心に」
「四つの小都市を持っています」
「虎牙」
「虎爪」
「虎尾」
「虎眼」
「本日は各都市代表も出場します」
なるほど。
白虎全体の祭りらしい。
「ドラちゃんは?」
たにしが聞いた。
「虎牙市代表です」
カエデが答える。
「ドラちゃんも出るんだ!」
あいりの目が輝く。
「でるー!」
こはるも嬉しそうだった。
「その他」
カエデが続ける。
「招待チームが3組」
「その中でも、領主特別招待チームがルノアチームです」
「正直」
「皆様が一番話題になっています」
「なんで?」
のんちゃんが聞く。
「色々とルノアの噂は白虎にも届いてますし」
「昨日、姉さまとたにしさんが街中で多数目撃されてるのもあるのかと」
なるほど。
全員。
納得した。
「あいりつよいよ?」
「こはるもー!」
本人達は不満そうだった。
「はい、お二人も話題ですよ」
「かわいい売り子さんが露店やってたと」
「やったー!」
「やったー!」
幼女の機嫌治る。
チョロいなこいつら、と、たにしが苦笑する。
「ただ」
少しだけ笑う。
「武闘大会の強さとしては未知数だとも」
それはそうだった。
「だろうな。オッズは白中都市チームが一番人気だろうな」
たくろーが冷静に分析して答える。
「はい、圧倒的一番人気です」
「え?オッズついてんの?」
たにしが食いつく。
「はい、ベルク商会が姉さまの許可の元、取り仕切っております」
カエデが答える
「ベルク抜け目ねぇなぁ」
たにしが笑う。
「つーことは、俺等穴目か…」
「たにし、ダメな大人の顔してる」
れんかジト目。
◇
いよいよ。
武闘大会当日。
白虎最大の祭りが。
始まろうとしていた。




