表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして迷う

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
84/105

 閑話 魔法のクッキー

三章


 閑話 魔法のクッキー



お昼。


村長宅。


昼食も終わり。


大人達がそれぞれ午後の作業へ戻る前にくつろいでいた。


台所では。


「クッキー焼けたよー」


「焼けたー!」


「やけたー!」


手伝ったあいりとこはるが、バスケットを抱えてやってくる。


「クッキーできたー!!」


「できたー!!」


ちょうどそこに居たのは。


たくろー。


れんか。


のんちゃん。


ひーちゃ。


「お、ありがとう」


「ありがと」


「わぁい」


「おいしそぉ」


全員食べる。


「おいしい!」


大人達の評価に幼女二人はご満悦。


その横。


「たにしもー」


「んー……」


二日酔いだった。


「後でもらうわ……」


ソファへ沈む。


二度寝開始。


「もう、たにしにはあげない!」


そう言いながらも。


嬉しくなった幼女達は。


自分達で食べるのも忘れ。


「みんなにもあげる!」


と家を飛び出していった。


ここまでは。


いつもの平和な昼下がりだった。



チャンチャンチャンチャチャラ!!


チャンチャンチャン!!


フッフー!!


爆音。


「……んぁ?」


たにし起床。


事務所の方向が騒がしい。


「たくろーとれんかで事務処理すると言ってたよな……」


嫌な予感しかしない。


扉を開ける。


爆音。


机の上。


扇を持ったたくろー。


「ウェェェェェェイ!!!」


腰を振っていた。


「たっくんマジ卍ぃぃぃ!!」


「チョベリグーー!!」


れんかがはっちゃけている。


「パーリナイッ!!」


なんだろう、いたたまれない。



挿絵(By みてみん)



その時。


「あ、起きた?」


あっくんだった。


妙に饒舌。


妙に理路整然。


「状況を説明するね」


早口。


「まず原因はクッキーに混入した未処理の紫キノコで」


「摂取者の潜在性格が誇張されて」


「精神的抑制が解除され」


「結果として──」


「あっくんも食ってるな?」


「うん」


即答だった。


「こいつらここから出すな」


たにしがたくろーとれんかを指差して真顔で言う。


「色んな意味でルノアが終わる」


「任せて」


あっくんがハンマーを持って頷いた。



――数時間前。


「後はナッツ乗せて焼くだけ」


あっくんが幼女二人へ言う。


「あいりやるー!」


「やるー!」


元気よく挙手。


「じゃぁお願い。ちょっと倉庫行ってくるから、戻ったら一緒に焼こう」


「はーい!」


「はーい!」


良い返事。


小さく微笑み。


あっくんはキッチンを離れた。


「ねぇねぇ」


あいりが棚にナッツを見つける。


そしてその隣にあるものへ気付いた。


「これおいしそう」


紫色のキノコ。


「きのこー」


こはるも興味津々。


「あっくん、いつも料理に入れてるよね?」


「いれてるー」


「美味しいよね!」


「おいしい!」


「じゃあ入れたらもっとおいしいじゃん!」


「てんさい!」


「てんさい!」


数分後。


刻まれた紫キノコが生地へ混入された。


善意100%だった。


あっくんが戻ってくる。


「できたー?」


「うん!」


「うん!」


良い返事だった。


焼く。


焼ける。


いい匂い。


「できたー」


あっくんが一枚食べる。


もぐもぐ。


「うん。おいしい」


気付かない。


「やったぁ!!」


幼女達大喜び。


リビングへ突撃した。


――という事があったと後に判明する。



家を出たたにしは。


まずジージ宅へ向かった。


「ソニア!チビらのクッキー……!」


扉を開けながら叫ぶ。


だが。


状況を見て固まった。


「現在のルノア経済圏における発展速度は──」


ジージ。


なにやら使徒を殲滅しそうな姿勢で小難しい事を喋っている。


対してソニア。


「医療制度改革案についてですが」


「午前中までにまとめました」


「あと十年で人口予測は、パターン青です!」


「勝ったな……」


「うん、お前らはなんならそのままでいいわ」


たにしは真顔で言った。



次。


薬小屋。


ひーちゃに解毒薬を作ってもらおう。


扉を開ける。


「ひーちゃー」


「うっせぇわぼけぇ!!」


怒鳴られた。


たにし閉める。


深呼吸。


もう一回開ける。


「ひーちゃ?解毒薬を……ね?」


「今やっとる言うとるじゃろうが!!」


広島弁だった。


机の上。


確かに解毒薬らしきものを作っている。


「えっと……理性も残って……らっしゃる?」


「残っとるわぼけぇ!羞恥じゃぼけぇ!」


「他のモン見てこんかい!ぼけぇ!」


「はい」


即退散。


怖い。



次。


ルノア組。


静かだった。


嫌な予感しかしない。


扉を開ける。


若頭が居た。


そして。


のんちゃん。


スズ。


二人が若頭を壁際へ追い詰めていた。


「若ぁ♡」


半裸の胸を人差し指でツーッとなぞるのんちゃん。


「ねぇ♡」


若頭の腕へ胸を押し付けるスズ。


「ひぃっ」


若頭。


いつになく怯えている。



挿絵(By みてみん)



周囲の山賊達。


距離を取る。


「見ちゃいけないっす」


「若ぁ……頑張れ……」


「助けろ」


「無理っす」


即答だった。


たにしも若頭と目が合う。


「おやっさ……」


助けを求める目だった。


たにしは静かに扉を閉めた。


見なかった事にした。



そして。


ルノア組の屋上。


そこに。


犯人達が居た。


「ひとでー!」


「ひとでー!」


ヒトデと遊んでいた。


「たのしかったねー!」


「ねー!」


「なくなっちゃったねー!」


「ねー!」


「またつくろー!」


「つくろー!」


「二度と作るな……」


たにしが頭を抱える。



ウェェェェェイ!!


事務所。


じゃけぇぇぇぇ!!


薬小屋。


若ぁぁぁ♡


ルノア組。


「はぁ……」


たにしは空を見上げた。


なお。


翌日。


被害者達は全員。


死んだ魚のような目をしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ