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オフ会してたら異世界に飛ばされたのでゲーム脳で生き抜いてみる  作者: 元 智
そして迷う

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 第71話 友好の形

第三章


 第71話 友好の形



「今日は泊まっていくの?」


のんちゃんが笑いながら聞いた。


「いえ、さすがに帰る予定ですが……」


カエデが答える。


その後ろでは。


「うおおおお!!」


「マツコちゃんいけぇぇぇ!!」


まだ盛り上がっていた。


「じゃぁ、もうちょっとだけ騒いでいきなよ。まだ夕暮れですらないしさ」


のんちゃんが肩を竦める。


「あいつら楽しそうやん」


目の前のテーブルでは。


アフロとウメコが、恋愛相談?をしていた。


「つまり、押しが大事ってことっすか?」


「お、押す……?」


「いやでも……優しさも……」


「難しいっす!」


「ア、アフロさん……好きな人いるん……ですか?」


「いや、いないっす!」


「いないんだ……じゃぁこれなんの……は!(私!?)」


妄想爆走で赤面し、モジモジするウメコ。


「……」


カエデが静かにその様子を見る。


他の親衛隊達も。


山賊達も。


みんな楽しそうだった


「たまには息抜きもさ」


のんちゃんが笑う。


「カエデも、ほら座って飲みな」


「はい……では頂きます」


「カエデもお豆ちゃんも酒豪だもんなぁ。私は食べ専だけど」


そう言いながら、のんちゃんはひっくり返った椅子を戻して隣へ座る。


「おーい!!」


のんちゃんが室内へ向かって叫ぶ。


「たにしさん達に声かけてこーい!!」


「あと!飯追加してこーい!!」


「二次会だぁぁぁ!!」


「うおおおおお!!」


山賊達が盛り上がる。


「いやっほぉぉぉ!!」


「肉追加っす!!」


「酒もいるっす!!」


「机はもう無いっす!!」


「それは知らん!!」


のんちゃんが爆笑した。



「……本当に自由ですね、この村」


カエデが呆れ半分で呟く。


「今さら?」


のんちゃんが笑う。


「そして……平和ですね」


カエデがぽつりと呟く。


「ん?」


のんちゃんが山賊焼きを頬張りながら聞き返す。


「いえ」


カエデは室内を見回す。


騒ぐ山賊達。


笑う親衛隊達。


恋愛相談。


筋トレ。


ポージング。


壊れた机。


散らかった床。


空き瓶、食べかけだらけのテーブル。


なのに。


嫌ではない。


「姉様がたにしさんを気に入る理由が分かる気がします」


カエデが静かに言った。


「居心地いいっしょ?」


のんちゃんが笑う。


「……はい。そうですね」


カエデも少しだけ笑った。


「まぁ、たにしさんだけでってわけじゃないけどね」


のんちゃんが笑いながら言う。


「それはもちろんです」


カエデは静かに頷く。


「ですが、たにしさんの周りに集まった人達が作った空気というか……」


視線の先。


山賊達が笑っている。


親衛隊達も笑っている。


ぐちゃぐちゃなのに。


不思議と空気は温かかった。


「まぁ確かに、変人ホイホイみたいなとこはあるね」


のんちゃんが笑う。


「あ、私もか?」


「否定はできません」


カエデが真顔で返した。


「そこ否定するとこじゃない!?」


のんちゃんが爆笑する。


「まぁもう、カエデもその周りの中の一人になってるかもよ」


「お豆ちゃんごとね」


その言葉に。


カエデは少しだけ目を丸くした。


室内では。


「うおおおおお!!」


「アフロぉぉ!負けんなぁぁぁ!!」


まだやっていた。


ウメコは。


「が、頑張ってください……!」


完全に応援側へ回っていた。


「……そうかもですね」


カエデは小さく笑った。


その表情は。


最初に村へ来た時より、ずっと柔らかかった。



結局。


この宴は朝まで続いた。



早朝。


ルノア組前。


「大変お世話になりました」


カエデだけが、ケロッとした顔で立っていた。


その後ろ。


親衛隊達。


ぐったり。


完全に敗残兵だった。


「……まだ戦える……」


「……恋愛は……難しい……」


「何学んで帰る気なの君ら」


のんちゃんが笑った。


その横では。


山賊達も並んで見送りに来ていた。


アフロは眠そうに手を振り。


スキンヘッドは地面で寝ている。


ドレッドはずっと何を吐いてる。


若頭だけは元気だった。


「また来いっすよー!」


「次は机もっと用意しとくっす!」


「恋バナの続きもまたするっす!」


「お前はもう寝ろ」


ドレッドがアフロを蹴った。


「ア、アフロさん……」


ウメコがモジモジしながら前へ出る。


「その……また……」


「おう!またっす!」


即答だった。


ウメコが真っ赤になる。


「ふふっ」


マツコが笑う。


「本当に変な村だな、ここは」


「褒め言葉っすよね?」


若頭が笑った。



「それでは、改めて」


カエデが軽く頭を下げる。


「楽しかったです」


「こっちもー」


のんちゃんが手を振る。


山賊達も一斉に手を振った。



ちなみに。


他のメンバーは


何かを察したかのように、一度も近寄らなかった。


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